弁護士に依頼する前に知っておきたいこと~交通事故が得意な弁護士の探し方・選び方~

更新:2024年09月10日 公開:2017年05月25日
基礎知識
弁護士に依頼する前に知っておきたいこと~交通事故が得意な弁護士の探し方・選び方~
警察庁交通局の発表によると、令和2年度の交通事故件数の総数は30万9178件であり、前年からは7万2059件の減少となりました。 コロナ禍による外出自粛の影響もあり事故の数自体は減っているとはいえ、依然として、一年で30万件以上の交通事故が国内で発生したのです。

交通事故は、何気ない日常のなかで急に生じるものであり、だれしもがいつでも被害にあう可能性があるものです。 本コラムでは、交通事故の被害にあってしまった方が、保険会社との示談交渉など交通事故の対応に強い弁護士を選ぶためのポイントについて、解説いたします。
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1、交通事故に強い弁護士を探す3つの方法

(1)インターネットでの検索

交通事故被害の解決のためには、解決実績を把握しやすいインターネットを使って弁護士を探すことをおすすめします。

解決実績を掲載している法律事務所のホームページを探してみると、自分と似たような案件を上手く解決した実績がある法律事務所を簡単に見つけることができると思います。
ホームページが充実している事務所は、被害者の電話相談も初回無料にしているところもありますから、しっかりと仕事をしてくれそうな雰囲気の事務所があれば気軽にお電話されてはいかがでしょうか。

(2)人からの紹介

また、昔からよくある方法として、弁護士を知っている人からの直接の紹介があります。
ともに解決を目指していくことになりますから、気が合わない弁護士に依頼してしまうと、気疲れしてしまいます。どんな弁護士であるか事前に紹介者から具体的な話を聞くことができる点は、紹介を受けるメリットといえるでしょう。

もっとも、交通事故についての交渉や裁判について慣れているかは別の話ですから、紹介された弁護士と面談される前に、他の事務所の実績も調べておいて、比較できるようにしておくとより安心かもしれません。

(3)弁護士会からの紹介

さらに、弁護士会経由で弁護士を紹介してもらうこともできます。
弁護士会としても、評判の悪い弁護士は紹介しないでしょうから、「ハズレ」の弁護士を引いて損をしてしまうリスクは抑えられるのが利点です。

もっとも、どうしても弁護士同士での評判になってしまいますから、腕よりも人間関係で優先的に紹介される弁護士が決まってしまう面もあるため、過信は禁物です。

弁護士会は、各都道府県に必ず1つ以上あります。弁護士会では様々な法律相談を行っていて、交通事故の相談ももちろんできます。

2、交通事故に強い弁護士を選ぶ3つのポイント

(1)交通事故案件での実績

「探し方」でお伝えしたように、交通事故については弁護士を選ぶ際には、これまでに交通事故案件を取り扱ってきた実績が非常に重要です。

保険会社との交渉テクニックや、裁判に進んだ場合の見通しの正確性などは、事件を多く解決してきた経験で磨かれるものだからです。

そのため、まずは事務所の実績を確認してみましょう。自分と似たようなケースの解決事例を載せている事務所は特におすすめです。
また、初回相談の際には、今後の流れや解決の見通しについて質問してみて、説明がスムーズに行われるか試してみるといいかもしれません。経験が豊富な弁護士であれば、特殊な内容でなければすぐに答えられるはずですし、見通しについても聴き取った情報の範囲で示すことができるはずです。

(2)交通事故案件の知識

交通事故案件について必要な知識は多岐にわたりますから、複雑な事故態様であったり、特殊な事情がある、何らかの障害が残ってしまいそう、というケースでは交通事故について深い知識を有している弁護士に依頼することが重要です。

過去の事例についての知識が豊富なら、同種のケースにおける有利な事例を使って上手く交渉や裁判を進めてくれます。また、自動車保険に詳しければ相手から満足な賠償が得られない場合でも、依頼者の保険を上手く使って損害を抑える方法を提案してくれるでしょう。症状が残ってしまった場合に後遺障害と認定してもらう際にも、後遺障害について詳しい弁護士のサポートが非常に重要になります。

自分の抱えている悩みについて、実務上はどのように扱われているのか、怪我の部位から想定される後遺障害等級は何か、など質問してみて、スムーズに回答できるか試してみるといいでしょう(とはいえ、複雑・特殊なケースについては見通しを立てることも困難であることが多いため、交通事故案件に精通している弁護士であっても、見通しについて簡単に言い切ることはできないことが通常ですが)。

(3)交渉力

交通事故の場合、交渉相手は加害者が任意で入っている損害保険会社であることが多いです(加害者の加入している損害保険会社が、実質的に損害賠償を加害者から肩代わりするからです)。

そして、被害があまり大きくない事故では、保険会社の担当者が直接交渉にあたることも多く、交通事故に精通した弁護士が交渉することで、被害者本人が交渉するよりも、より優位な立場で交渉を進めることができます。

一方、脳の障害や四肢の切断など被害が大きい事故では賠償額も大きくなるため、保険会社も弁護士を立てて交渉したり裁判を進めることが多くなります。保険会社と関係の深い弁護士は、定期的に交通事故を取り扱っている経験豊富な弁護士であることが多いため、被害者側としても交渉に長けた弁護士に依頼して対抗することが非常に重要です。

交渉力については、相談した際にご自身で「話すのが上手だな」と思ったかで判断するのが一番でしょう。気になった部分について分かりやすい理屈で説明してくれる弁護士なら、担当者や弁護士との交渉でも被害者の想いを上手に反映して主張してくれるはずです。

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3、こんな方はぜひご相談を!

弁護士に依頼される際の「探し方」「選び方」のポイントは以上になります。
最後に結びにかえて、よくお問い合わせいただくお悩みの中で、弁護士が入ることでメリットのあるものの一例をご紹介いたします。
もし似た内容のお悩みをお持ちの方は、ぜひ法律事務所への相談をお考えください。

(1)保険会社が不快な話をしてくるため対応に疲れてしまう。立て替えた費用が賠償されるのか不安

弁護士にご依頼いただけば、その旨を保険会社に通知しますので、以降は弁護士が窓口となり、ご自身は治療に専念することができます。
また、事故に遭われた方の介護費用など、現時点で保険会社が支払いを認めていない費目があってご不安な場合には、ご依頼いただいた弁護士と相談しながら、請求を認めてもらうための準備を進めておくことができます。

(2)事故態様や過失割合に争いがある。自分は悪くないはずなのに減額されるのは納得できない

弁護士であれば、実況見分の内容と過去の事例を比較することで、被害者に有利になる主張ができないか、しっかり検討できます。場合によっては、弁護士の活動によって、事故の目撃者から証言を得られたり、防犯カメラの映像を取得することができることもあるでしょう。相手の主張する割合が相場通りかもよく分からないと思いますので、相場を知るためだけでも法律事務所に電話されるメリットがあります。もし相談中に、有利な事情が見つかれば、弁護士を通じてしっかり相手方に主張していくことをおすすめします。

(3)治療を続けているが治る気配がなく、いわゆる後遺障害が残ってしまいそうで心配

ご不幸にも治療後に症状が残ってしまった場合には、後遺障害として申請することが重要です。(お怪我が後遺障害と認定されるか否かは、賠償額を大きく左右します)。お怪我の部位ごとに申請のノウハウがあるため、後遺障害認定の申請や異議申立の実績が豊富な事務所のサポートを受けて申請することを強くおすすめします。

(4)保険会社から提示された示談額に不満がある(安すぎるor特定の費目を認めてくれない)

弁護士であれば、裁判で請求できると見込まれる損害額・費目を保険会社にしっかり提示して、そこから交渉を進めることができます。裁判をやった場合に近い額で示談がまとまることもありますから、額をあまり妥協せず早期解決を目指したい場合、弁護士に依頼されるメリットは大きいものといえるでしょう。

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この記事の監修者
外口 孝久
外口 孝久
プロフィール
外口 孝久
プロフィール
ベリーベスト法律事務所
パートナー弁護士
所属 : 第一東京弁護士会
弁護士会登録番号 : 49321

交通事故部マネージャー弁護士として、交通事故(被害者側)、労災問題(被災労働者側)及びその周辺分野に精通しています。マネージャーとして全体を統括し、ノウハウの共有に努めつつ、個人としても多数の重傷案件を含む400件以上の案件を解決に導いてきました。お客様と真摯に向き合い最善の解決を目指すことをモットーとしています。

この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

交通事故部マネージャー弁護士として、交通事故(被害者側)、労災問題(被災労働者側)及びその周辺分野に精通しています。マネージャーとして全体を統括し、ノウハウの共有に努めつつ、個人としても多数の重傷案件を含む400件以上の案件を解決に導いてきました。お客様と真摯に向き合い最善の解決を目指すことをモットーとしています。

この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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