過失割合・過失相殺について
交通事故の被害者にも落ち度があった場合、その不注意の度合いを、損害賠償額を決めるうえで考慮できるという規定が、民法722条2項で定められています。被害者に不注意があった場合でも、加害者に全ての責任を負わせるのは不公平になる可能性があるために設けられています。
これにより、当事者間の瑕疵の割合に応じて、損害賠償額を減少させることを過失相殺(かしつそうさい)といいます。
たとえば、被害者の損害額が400万円の場合に、加害者過失が6割、被害者が4割であれば、被害者が加害者に請求できる額は400万円×0.6=240万円となります。
この過失割合は、事件に応じて、裁判官が最終的に決めることになりますが、過去の多くの交通事故裁判の結果等から、事故の類型によって、おおよその予測もつきます。
保険会社も予測をもとに過失割合を出しますが、その数字が必ずしも正しいとは限らないことを覚えておきましょう。