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交通事故で夫が救急搬送。 被害者家族が早期に弁護士へ相談すべき理由とは?

公開日:2021年10月8日 基礎知識
突然の電話で夫が交通事故の被害に遭い、救急搬送されたという連絡があったとしたら......。妻としては大きな不安におそわれるでしょう。幸い命に別条がない場合でも、人身事故に巻き込まれた以上、様々な困難が待ち受けています。夫が入院している場合は、家族が窓口となって手続きを進める必要があります。そして、人身事故では、事故後の対応次第でその後の賠償に影響が生じる可能性もあります。

今回は、交通事故で救急搬送された場合にご家族が適切に対応するためのポイントについて、手続きの流れや治療費の負担、加害者への賠償請求などについて、弁護士が詳しく説明します。

1、救急搬送後の交通事故事件の処理の流れ

  1. (1)検査と診断書の提出

    最初にすべきことは、医師にしっかりと怪我の検査を行ってもらい、検査結果に基づいた診断書を作成してもらうことです。

    診断書ができたら警察に提出しましょう。診断書を提出することで初めて「人身事故」として取り扱われます。事故後長期間にわたり診断書を提出しないでいると、「人身事故」としての取扱いを拒否される可能性がありますので注意しましょう。

    なお、診断書の作成費用は、後日加害者側に請求できますので、領収書と診断書のコピーはとっておくようにしましょう。

  2. (2)警察との手続き

    警察が人身事故と判断した場合、警察から加害者、被害者、そして目撃者に対する聴取が行われ、「実況見分調書」が作成されます。実況見分調書では、事故現場の状況や事故の発生原因などが記録されます。

    本来、実況見分調書は、加害者の刑事責任を明らかにするために作成される書面です。

    もっとも、実況見分調書は、過失割合を確定する場面で重要な資料となります。
    実況見分調書の書き方ひとつで、過失割合が大きく変わる可能性も十分にありますので、慎重に臨むようにしましょう

    事故の際に頭を打っていると、その前後の記憶が欠落してしまうことがあります。特に、歩行していた際の事故や、バイク・自転車に乗車していた際の事故で大きくはね飛ばされたり、転倒した場合に記憶が失われたりする現象がよく見られます。その場合は、覚えている範囲で回答すればよく、無理にストーリーを描いて回答する必要はありません。被害者家族として、被害者本人が実況見分に臨む際には、このように助言をしてあげましょう。

  3. (3)相手の保険会社との連絡

    加害者が任意保険会社に加入している場合、実際に手続きや交渉の窓口となるのは、加害者本人ではなく、加害者が加入している任意保険会社の担当者です。

    事故後、加害者は自分の保険会社に事故を報告します。報告を受けた保険会社の担当者は被害者に対し電話連絡をします。

    加害者が加入している保険会社から連絡があった場合には、怪我の状態や搬送先の救急医療機関の名前などを伝えておきましょう

2、家族が救急搬送されたら確認すべき4つのこと

ここで、家族が救急搬送された場合の確認事項と注意点を整理しておきます。

  1. (1)加害者の連絡先

    事故直後の事故現場で、加害者の連絡先はしっかり確認しておきましょう。

    相手が自動車保険に加入していなかった場合には、加害者に対し、直接、賠償請求をしなければなりませんそのため、相手の住所と電話番号を確認しておきましょう

  2. (2)加害者の保険会社

    次に、加害者の任意保険の加入の有無を確認し、加入していた場合にはその保険会社を確認しましょう

    任意保険は、自賠責保険と異なって強制保険ではなく、運転者の全員が加入しているとは限りません。

    任意保険に入っていれば、その保険会社の担当者が手続きの窓口となります。
    担当者の名前をメモしておくと、その後の連絡がスムーズになります。

  3. (3)自分が加入している保険会社

    相手の保険会社だけでなく、自分が加入している保険会社にも、交通事故に遭ってしまったことを連絡しましょう

    あまり知られていませんが、保険契約の内容によっては、自分の加入している保険会社から保険金が受け取れる場合があります。

    また、弁護士費用特約に入っているかも確認するとよいでしょう
    弁護士費用特約があれば、基本的には弁護士費用の負担なしに、弁護士からのサポートが受けられます。

    自分がどんな保険契約をしたのか覚えていないことも多いとは思いますが、まずは保険会社に連絡をして、自分が実際にどんなサービスを受けられるかを確認しましょう。

  4. (4)示談の提案には慎重に

    もっとも注意したい点は、安易に示談を進めないということです。

    いったん示談が成立してしまうと、その内容がどんなに不適切であったとしても、翻すことは基本的にできなくなってしまいます。

    弁護士費用特約に入っていなかったとしても、示談の話が出たら安易には応じず、まずは弁護士に相談するようにしましょう

3、被害者が知っておきたい、請求できる治療費や慰謝料のこと

  1. (1)治療費

    治療費は、加害者の保険会社が直接病院に支払う手続き(一括払い対応)をとることが多いです。この場合、被害者は医療機関の窓口で治療費を支払う必要がありません。

    検査料や薬代、救急車を利用した場合の救急搬送費も、治療費として加害者に支払いを求めることができます。

    ただし、医学的には必要がないにもかかわらず発生させた治療費やベッド代等については支払われないので、注意が必要です。

    なお、一括払い対応をしてもらわず、健康保険を使って自費で通院する場合もあります。
    ただ、通勤途中や仕事中に発生した事故の場合などの労災に該当する場合は、健康保険が使えないなどのルールがあるため、注意が必要です。
    そのため、健康保険の利用については、保険会社や弁護士に相談して判断することをおすすめします

  2. (2)医療機関への交通費

    入退院にかかる交通費や、退院後の通院のための交通費は、事故によって生じた損害といえるため、加害者に請求することができます。タクシーを利用した場合は必ず領収書をとっておくようにしましょう。

    また、本人の病状によっては、親族の付き添い費用や親族の見舞いにかかる交通費を請求できる場合もあります。これらの領収書もとっておきましょう。

  3. (3)休業損害

    事故で仕事を休まざるを得なくなった場合、休業損害を請求することができます
    会社員であれば、事故が原因で有給休暇を使った場合においても休業損害を請求することができます。

    自営業の場合は、基本的には治療期間中に仕事ができなかったことで収入が減った分を休業損害として請求することとなります。

  4. (4)入通院慰謝料

    事故で怪我を負った場合、加害者に慰謝料を請求することができます

    入通院慰謝料の額は、怪我の重さと入通院の期間によって基準となる金額が決まっています。

    ただし、入通院慰謝料の基準には3つあり、どの基準を用いるかによって、金額は大幅に変わってきます。

  5. (5)後遺障害に関する請求

    治療をある程度続けても、症状が完全に治らない場合には、後遺障害が認定される可能性があります。

    後遺障害が認定されると、別途賠償金が支払われることとなります
    具体的には、後遺障害慰謝料、逸失利益(後遺障害がなかったら将来受け取ることができたであろう収入)などで、認定される等級によって、金額は大幅に変わってきます。

    後遺障害の申請は、一定期間治療を終えた後に後遺障害診断書などを自賠責調査機構に提出して行います。その申請を適切に行うためには、事故当初からしっかりとした準備をしておくことが重要です。

4、家族が救急搬送されたら早期に弁護士へ相談すべき理由

家族が交通事故で救急搬送されたときには、早めに弁護士に相談をすべきです。
弁護士に相談するメリットは主に次の4点です。

  1. (1)不安とリスクを軽減できる

    家族が救急搬送されたときの心の動揺は想像以上です。その動揺や不安にさらされながら、被害者本人に代わって家族がいろいろな手続きを進めなければなりません。

    時には、警察や相手保険会社からの急な連絡に対して、どのように対応していいかわからないときもあるでしょう。家族のなにげない一言が、その後の交渉において不利に働く可能性もあります。
    弁護士に相談することで、そんな不安やリスクを大幅に軽減することができます

  2. (2)受けておくべき検査がわかる

    救急搬送となるような事故の場合、怪我が治っても後遺障害が残る可能性があります。

    後遺障害というと重篤な怪我を想像されるかもしれませんが、そうとは限りません。
    実際、交通事故の場合は、むち打ちや捻挫などの軽い怪我から骨折などの重傷のケースまで、すべての怪我について後遺障害と認定される可能性があります。

    ただし、後遺障害を認定してもらうためには、事故当初からの診断書やカルテが証拠として重要な意味を持ちます。
    たとえ、体に支障が残っていても、それが客観的に立証できなければ、後遺障害として認定されません。

    その客観的な立証のために、いつどのような検査を受けるかどうかということは重要となってきます。
    医療機関は、治療にしっかりと向き合ってくれますが、後遺障害の認定に向けた最善のアドバイスをしてくれるとは限りません。

    事故の初期段階で弁護士に相談することで、怪我の状況に応じて、どの段階でどんな検査を受ければいいのか、アドバイスを受けることができます

  3. (3)慰謝料の増額が見込める

    慰謝料の金額は、同じような事故でも大きなばらつきがあります。実際、かなり低い慰謝料額で示談をしてしまっている被害者もたくさんいるのが実態です。

    一度示談が成立してしまうと、あとからそれを覆すことはできず、不当に低い金額で示談してしまった場合でも、やり直すことはできません。

    そのような事態を避けるため、まずは弁護士に相談しましょう。
    弁護士であれば、相手保険会社との示談交渉において、最も高い基準を前提として慰謝料の交渉を進めることができます

  4. (4)過失による減額を最小限にできる

    追突や赤信号無視などを除くほとんどの交通事故では、基本的には被害者側にも過失が認められてしまいます。

    たとえば、信号のある交差点で、青信号で直進中のバイクと、青信号で右折中の自動車が接触したとします。
    バイクからすれば、青信号で直進していたわけですから、自分に過失があるとは考えにくいでしょう。
    しかし、裁判実務で使われている過失割合の基準にあてはめると、この場合のバイク対自動車の基本的な過失割合は15:85、つまり、基本的にはバイク側に15%の過失があるということを前提として交渉されることとなります。

    被害者側に過失が認められた場合、その過失分に相当する部分は、加害者に請求できなくなります。
    入院中の治療費が全部で100万円かかったとすると、そのうちの85%だけを加害者に請求でき、残りの15%、つまり15万円は自己負担になるのです。
    したがって、過失割合をどう認定するかは、賠償額に大きく影響するといえます。

    とはいえ、過失割合について相手保険会社から提案されても、それが妥当な数字なのか判断することは困難です。
    弁護士に依頼をすれば、事故の状況から適切な過失割合を判断してくれますし、時には、被害者側に有利な事情を見出すことで、被害者側の過失を減らすための交渉を行ってくれます

5、まとめ

家族が事故で救急搬送された場合の不安は言葉では言い表せないものがあります。そのような時に、家族がすべきことについて、本コラムでは弁護士の視点からまとめました。

不安を軽減し、その後の手続きを被害者の立場から不利にならないように進めていくためには、弁護士によるサポートが大いに役立ちます。

ベリーベスト法律事務所では、交通事故案件について豊富な経験を持つ弁護士が多数在籍し、ご相談をお受けしています。ご家族からのお電話やお問い合わせも積極的にお受けしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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