外傷性くも膜下出血の後遺症とは? 後遺障害等級と家族ができること

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後遺障害
外傷性くも膜下出血の後遺症とは? 後遺障害等級と家族ができること
大切な家族が交通事故などで頭部に強い衝撃を受け、「外傷性くも膜下出血」と診断されると、突然の入院や治療、今後の生活への不安が一気に押し寄せます。

意識障害やしびれ、高次脳機能障害などの後遺症が生じることもあり、本人だけでなく家族の生活にも大きな影響が生じることがあります。このような被害に遭ったときは、後遺障害等級認定や損害賠償請求により、経済的な補償を受けられる可能性があります。

しかし、医学的評価と法律的評価の両面から判断されるため、家族が制度を理解していないと、適正な等級が認められず、賠償額が大幅に低くなることもあります。適切な補償を受けるには、治療・リハビリを進めるなかで、必要な書類の収集や医療記録の整理、等級認定の準備を進めることが重要です。

今回は、外傷性くも膜下出血の後遺症と後遺障害等級、損害賠償、家族ができることなどについて、弁護士が解説します。

目次

  1. 1、外傷性くも膜下出血とは? 後遺症の基礎知識
    1. (1)外傷性くも膜下出血とは
    2. (2)外傷性くも膜下出血の症状
    3. (3)交通事故で後遺症が残った場合、後遺障害等級認定で支援を受けることが可能
  2. 2、外傷性くも膜下出血で認定される可能性のある後遺障害
    1. (1)遷延性意識障害
    2. (2)高次脳機能障害
    3. (3)麻痺
    4. (4)視力障害
    5. (5)外傷性てんかん
  3. 3、外傷性くも膜下出血の後遺症で請求できる、主な損害賠償の内容
    1. (1)治療費・通院交通費・付き添い費
    2. (2)休業損害
    3. (3)慰謝料|入通院慰謝料・後遺障害慰謝料
    4. (4)後遺障害逸失利益
  4. 4、外傷性くも膜下出血の後遺症が生活に与える影響と家族の対応
    1. (1)後遺症による仕事・日常生活への影響
    2. (2)後遺症が生じたときに家族ができるサポート
    3. (3)後遺症を正しく伝え、支援を得るために家族ができること
  5. 5、交通事故の損害賠償請求を弁護士に依頼するメリット
    1. (1)外傷性くも膜下出血の後遺症は「医学」と「法律」両面の判断が必要
    2. (2)後遺障害等級認定を有利に進められる可能性がある
    3. (3)保険会社との示談交渉を任せることができる
    4. (4)適正な慰謝料・損害賠償額の獲得が期待できる
    5. (5)本人や家族の精神的・時間的負担を軽減できる
  6. 6、まとめ

1、外傷性くも膜下出血とは? 後遺症の基礎知識

外傷性くも膜下出血は、交通事故などで頭部に衝撃を受けた際に起こる脳損傷の一つです

後遺症が生じることもあるため、家族としては医学面と制度面の両方を理解しておくことが重要です。以下では、外傷性くも膜下出血の症状や後遺障害等級との関係について説明します。

  1. (1)外傷性くも膜下出血とは

    交通事故で頭部に外力が加わると、脳を覆う膜の一つである「くも膜」と脳の間(くも膜下腔)に出血が生じることがあります。これが外傷性くも膜下出血です。

    事故では衝突の強さや部位により、脳挫傷や急性硬膜下血腫など他の脳損傷が同時に起こることも少なくありません。

    受傷直後は、意識障害、激しい頭痛、嘔吐(おうと)、けいれん、手足のしびれなどの症状が現れることがあります。

    重症例ではICUでの管理が必要になり、脳圧のコントロールや手術が行われることもあります。診断はCT・MRIなどの画像検査が中心で、出血の部位や量によって治療方針が決まります。

  2. (2)外傷性くも膜下出血の症状

    外傷性くも膜下出血は、受傷直後だけでなく経過とともに症状が変化することが特徴です。軽度の場合は、頭痛のみで済むこともありますが、重度の場合には昏睡(こんすい)状態や遷延性意識障害に陥ることもあります

    退院後やリハビリ期に顕在化しやすい症状としては、

    • 記憶障害・注意障害などの高次脳機能障害
    • しびれや歩行障害
    • 視覚・視野障害
    • 外傷性てんかん
    • 性格変化(易怒性・感情調整障害)

    などが挙げられます。

    性格変化が起こった場合には事故前とは異なる言動や行動変化が見られ、家族からすると「治ったはずなのに別人のよう」と感じるケースもあります。

  3. (3)交通事故で後遺症が残った場合、後遺障害等級認定で支援を受けることが可能

    外傷性くも膜下出血による後遺症が残った場合、「後遺障害等級認定」により、慰謝料や逸失利益(将来の収入減)などの損害賠償を請求できる可能性があります

    後遺障害等級は1〜14級まであり、症状の重さや生活・就労への影響等に応じて認定されます。また、後遺障害等級認定は、症状がこれ以上良くも悪くもならないと医師に診断された後に申請するものです。

    外傷性くも膜下出血の場合に認定対象となりやすい後遺障害としては、

    • 遷延性意識障害
    • 高次脳機能障害
    • しびれ
    • 視力障害
    • 外傷性てんかん

    などが挙げられます(詳細は第2章で解説)。

    認定には医学的な証拠が重要で、画像所見のほか、神経学的所見、ADL(日常生活動作)、職業復帰の可否、リハビリ記録なども評価対象になります。

2、外傷性くも膜下出血で認定される可能性のある後遺障害

外傷性くも膜下出血の後遺症は、意識や運動機能、認知機能、視覚など幅広い領域に影響が及ぶことがあります

交通事故の場合、これらの症状が後遺障害等級の対象となり、損害賠償の評価に直結します。以下では、外傷性くも膜下出血の代表的な後遺障害を説明します。

  1. (1)遷延性意識障害

    遷延性意識障害とは、脳に重い障害が残り、自力での移動・食事・排せつ等ができず、意思疎通が困難な状態が3カ月以上続いている状態のことを指します。交通事故の後遺症の中でも、もっとも重い後遺障害のひとつであり、いわゆる「植物状態」とも呼ばれます。

    このような状態になると意思疎通や身の回りのことができなくなるため、全面的な介護が必要になります。

    なお、外傷性くも膜下出血により遷延性意識障害と診断された場合、以下の後遺障害等級が認定される可能性があります。

    等級 認定基準
    1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

    (民事交通事故 損害賠償額算定基準 上巻(基準編)2026版 別表第一より引用)

  2. (2)高次脳機能障害

    高次脳機能障害とは、頭部外傷により脳が損傷を受け、記憶力・注意力・判断力・感情のコントロールといった脳の働き(高次脳機能)が低下する障害です。外見からはわかりにくいものの、日常生活や社会生活に大きな支障をきたします。

    具体的には、

    • 新しいことを覚えられない
    • 集中できない
    • 衝動的な行動が増える
    • 人柄が変わったように見える

    などの症状が現れますが、目で見て分かりやすい障害ではないため、周囲の理解を得にくいこともあります。

    家族としては、日常の困りごとをメモや動画で残したり、職場の復帰支援の記録を確保したりするなど、生活への影響を具体的に示す証拠を集め、等級認定時に役立てることが重要です

    なお、外傷性くも膜下出血により高次脳機能障害と診断された場合、症状の程度に応じて、以下の後遺障害等級が認定される可能性があります。


    (別表第一:介護が必要)
    等級 認定基準
    1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
    2級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

    (別表第二:介護は不要)
    等級 認定基準
    3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
    5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
    7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
    9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
    12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
    14級9号 局部に神経症状を残すもの

    (民事交通事故 損害賠償額算定基準 上巻(基準編)2026版 別表第一、別表第二より引用)

  3. (3)麻痺

    外傷性くも膜下出血になると、脳が傷ついた部位によって片麻痺や四肢の筋力低下が残ることがあります。

    麻痺は、生活動作(ADL)や就労能力に大きく影響する後遺症で、特に、事故以前に肉体労働や職人系の仕事に従事していた場合、職業復帰が難しくなることがあります。

    家族としては、麻痺の程度が日常生活にどう影響しているか(例:食事、着替え、移動、入浴、家事など)を把握しておきましょう

    なお、後遺障害等級では上肢・下肢の麻痺や、手の器用さ低下の程度、歩行能力などが評価され、症状の程度に応じて以下の後遺障害等級が認定される可能性があります。


    (別表第一:介護が必要)
    等級 認定基準
    1級1号
    • ① 高度の四肢麻痺が認められるもの
    • ② 中程度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣(こうい)等について常時介護を要するもの
    • ③ 高度の片麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの
    2級1号
    • ① 高度の片麻痺が認められるもの
    • ② 中程度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要するもの

    (別表第二:介護は不要)
    等級 認定基準
    3級3号 中程度の四肢麻痺が認められるもの(要介護状態を除く)
    5級2号
    • ① 軽度の四肢麻痺が認められるもの
    • ② 中程度の片麻痺が認められるもの
    • ③ 高度の単麻痺が認められるもの
    7級4号
    • ① 軽度の片麻痺が認められるもの
    • ② 中程度の単麻痺が認められるもの
    9級10号 軽度の単麻痺が認められるもの
    12級13号
    • ① 運動性、支持性、巧緻性及び速度についての支障がほとんど認められない程度の軽微な麻痺を残すもの
    • ② 運動障害を伴わないものの、感覚障害が概ね一上肢又は一下肢の全域にわたって認められるもの
  4. (4)視力障害

    外傷性くも膜下出血は視神経周囲にも影響することがあり、視力低下、視野障害、複視などが残ることがあります。視力障害は日常生活だけでなく労働にも大きく影響し、デスクワークなど視覚依存度の高い仕事に就いていた場合は逸失利益が争点となります。

    眼科での検査による経過追跡が必要なケースも多いため、家族が検査に定期的に行くよう適切に案内することが重要です。

    なお、外傷性くも膜下出血により視力障害と診断された場合、以下の後遺障害等級が認定される可能性があります。


    (別表第二)
    等級 認定基準
    1級1号 両眼が失明したもの
    2級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの
    2級2号 両目の視力が0.02以下になったもの
    3級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの
    4級1号 両眼の視力が0.06以下になったもの
    5級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
    6級1号 両眼の視力が0.1以下になったもの
    7級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
    8級1号 1眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になったもの
    9級1号 両眼の視力が0.6以下になったもの
    9級2号 1眼の視力が0.06以下になったもの
    9級3号 両目に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
    10級1号 1眼の視力が0.1以下になったもの
    10級2号 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
    13級1号 1眼の視力が0.6以下になったもの

    (民事交通事故 損害賠償額算定基準 上巻(基準編)2026版 別表第一、別表第二より引用)

  5. (5)外傷性てんかん

    外傷性てんかんとは、頭部外傷が原因で発症するてんかんのことで、けいれんや意識障害などの発作を繰り返す状態を指します。

    交通事故の外傷による脳のダメージが神経細胞の過剰な興奮を引き起こし発症しますが、発作の頻度や種類、脳波所見などによって、以下の後遺障害等級が認定される可能性があります。


    (別表第二)
    等級 認定基準
    5級2号 1カ月に1回以上の発作があり、かつ、その発作が「意識障害の有無を問わず転倒する発作」又は「意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作」(以下「転倒する発作等」という。)であるもの
    7級4号 転倒する発作等が数か月に1回以上あるもの又は転倒する発作等以外の発作が1カ月に1回以上あるもの
    9級10号 数か月に1回以上の発作が転倒する発作等以外の発作であるもの又は服薬継続によりてんかん発作がほぼ完全に抑制されているもの
    12級13号 発作の発現はないが、脳波上に明らかにてんかん性棘波を認めるもの

    (平成15年8月8日基発第0808002号より引用)

3、外傷性くも膜下出血の後遺症で請求できる、主な損害賠償の内容

外傷性くも膜下出血で後遺症が生じた場合、交通事故の損害賠償として請求できる費用は多岐にわたります。治療費だけでなく、将来の収入減や介護負担にも関わる項目が含まれるため、家族が内容を把握しておくことが重要です。以下では、主な賠償項目を紹介します。

  1. (1)治療費・通院交通費・付き添い費

    交通事故による治療費は、原則として加害者側(任意保険会社)が負担します。外傷性くも膜下出血では、救急搬送・ICU管理・手術・入院・リハビリなど長期化する傾向があり、費用も高額となりやすい点が特徴です。

    交通費(通院・転院・リハビリ等)も賠償の対象となり、家族が付き添った場合には付き添い費が認められる可能性があります

    付き添い費は、職業介護や家族介護のいずれも対象となり得ますが、医師の指示や治療内容、患者の状態により判断されます。重症例では介護費・将来介護費が争点となり得るため、早い段階で介護実態を記録しておくことが役立ちます。

  2. (2)休業損害

    事故により働けなくなった期間の収入減少は「休業損害」として請求できます。外傷性くも膜下出血では、急性期〜リハビリ期の休業が長期化することが多いのも特徴です。

    給与所得者の場合は、事故前の給与が基準となり、自営業者の場合は確定申告や帳簿が基準となります。家事従事者(主婦・主夫)の場合も、家事労働に経済的価値が認められており、休業損害が認定される可能性があります。

    就労不能期間を保険会社が短く評価しようとするケースもあるため、職場復帰状況やリハビリの記録を整理しておきましょう

  3. (3)慰謝料|入通院慰謝料・後遺障害慰謝料

    慰謝料は精神的苦痛に対する補償で、外傷性くも膜下出血の事案では、大きく分けて以下の2種類があります。

    ① 入通院慰謝料
    事故から症状固定までの入院・通院期間に対して支払われます。基準は「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士基準」があり、金額に差があります。一般的に弁護士基準がもっとも高額で、示談交渉では基準選択が重要になります。

    ② 後遺障害慰謝料
    後遺障害等級が認定された場合に支払われる慰謝料で、等級に応じて金額が決まります。
    外傷性くも膜下出血では重度等級が認定される可能性もあり、慰謝料額も高額となる傾向があります。
  4. (4)後遺障害逸失利益

    後遺障害逸失利益とは、事故がなければ得られたはずの将来の収入を補償する損害項目です。交通事故賠償の中でも特に高額になりやすく、外傷性くも膜下出血では特に重要な賠償項目となります。

    高次脳機能障害、遷延性意識障害、麻痺、視覚障害、外傷性てんかんなどが残存したことで後遺障害等級が認定されると、就労能力が失われたり低下したりしたと評価され、逸失利益が認められる可能性があります。

    若年層の事故では逸失利益の額が大きくなりやすく、職業や年齢、症状の内容、等級の重さ、労働能力喪失率などが考慮されます。

    外見上の障害が目立たない高次脳機能障害の場合、保険会社が「働けるはず」と評価を低くし、逸失利益を小さく算定するケースもあります。そのため、職場復帰の実態、復帰困難の理由、生活上の支障など、家族が事実を記録しておくことが大切です

4、外傷性くも膜下出血の後遺症が生活に与える影響と家族の対応

外傷性くも膜下出血で後遺症が生じると、本人の生活だけでなく家族の環境も大きく変わります。治療やリハビリに加えて、介護や法律・保険手続きへの対応が必要になることもあります。以下では、具体的な影響と家族ができるサポートを説明します。

  1. (1)後遺症による仕事・日常生活への影響

    外傷性くも膜下出血の後遺症は、身体機能、認知機能、感情コントロール、視覚、言語など多方面に及ぶことがあります。

    特に、高次脳機能障害など外見ではわかりにくい後遺症は、家庭内のコミュニケーションや社会参加に影響しやすく、家族が変化に気づくことが重要です。

    仕事が、肉体労働であった場合にはしびれや運動障害が、デスクワークでは集中力・記憶力低下、視覚障害が問題になる可能性があります。

    職場復帰は段階的に進むことが多く、「復職はできたが以前のように働けない」「配置転換が必要」「退職せざるを得ない」といったケースもあるでしょう。

    日常生活では、移動・食事・家事・入浴・金銭管理・対人関係など幅広い領域に影響が生じる可能性があります。家族は、本人が困っている領域を把握し、必要に応じて介護保険・障害福祉サービス・職場支援制度などを検討する必要があります。

  2. (2)後遺症が生じたときに家族ができるサポート

    外傷性くも膜下出血により後遺症が生じたときは、家族として以下のようなサポートを検討しましょう。

    ① 日常生活でのサポート
    家族は、後遺症の内容に応じて生活上の補助を行う必要があります。特に、高次脳機能障害では、本人が困りごとを説明できないこともあるため、家族が代わりに状況を整理し、医師や支援機関に伝えることが有効です

    家族がメモしておくと役立つ項目としては、
    • 感情や性格面の変化
    • 記憶の抜け落ち
    • 会話内容の乱れや理解の遅れ
    • スケジュール管理の困難さ
    • 事故前との比較
    • 職場での困りごと
    • 家事・育児への影響
    などが挙げられます。これらは後遺障害等級認定や逸失利益の算定でも重要な資料となるでしょう。

    ② 治療やリハビリへの協力
    後遺症は、時間とともに改善することもありますが、急性期終了後のリハビリがそのあと回復するかどうかに影響します。家族は、リハビリの計画や進行を把握し、必要に応じて医療・リハビリ職と連携することが重要です。
    また、転院、通院、在宅リハビリなどリハビリ・回復への手段は複数あるため、将来の介護負担や仕事との調整も考える必要があります。

    ③ 適切な法的賠償の準備
    交通事故では、後遺障害等級認定や損害賠償請求によって、治療費・介護費・逸失利益・慰謝料などを請求できます。これらは経済的支援という側面が強く、長期的な生活維持のために重要です。

    法的賠償の準備の例としては、
    • 症状固定のタイミングの検討
    • 後遺障害診断書の内容確認
    • 医療記録やリハビリ記録の確保
    • 仕事面・生活面の変化を記録
    • 保険会社との示談交渉の対応
    などが挙げられます。制度を把握せずに示談を進めると、補償が不足するリスクがありますので注意しましょう。
  3. (3)後遺症を正しく伝え、支援を得るために家族ができること

    外傷性くも膜下出血では、高次脳機能障害など外見からはわかりにくい後遺症が生じることがあります。本人が症状を自覚しにくい場合もあるため、家族が困りごとを把握して伝えることが重要です。

    支援を受ける先は、医療機関(主治医・リハビリ科)、保険会社、職場、介護・障害福祉サービス、弁護士など複数あります。後遺症の内容を正確に共有できるほど、適切な治療・リハビリ、復職支援、後遺障害等級認定、賠償請求につながります。

    家族が整理しておくと役立つ情報としては、以下のものが挙げられます。

    • 事故前と事故後の違い
    • 日常生活で困っていること
    • 職場で問題となる場面
    • 支援が必要なタスク
    • 症状が出やすい状況

    これらは後遺障害等級や逸失利益(将来収入の減少)の判断材料になるため、賠償面でも価値があります。

5、交通事故の損害賠償請求を弁護士に依頼するメリット

外傷性くも膜下出血の後遺症が生じた場合、治療と並行して損害賠償の手続きを進める必要があります。しかし、医学的な評価と法律的な評価が絡み合うため、家族だけで対応するには負担が大きく、早めに弁護士に依頼することをおすすめします

  1. (1)外傷性くも膜下出血の後遺症は「医学」と「法律」両面の判断が必要

    外傷性くも膜下出血は、受傷状況、画像検査、神経学的所見、リハビリ経過、高次脳機能の検査など、多数の医学的情報が関係します。

    一方、損害賠償や後遺障害等級は法的基準に基づいて判断されるため、医学的評価を法律の枠組みに落とし込む作業が求められます。

    交通事故に詳しい弁護士であれば、医師と連携しながら適切な賠償獲得に向けたサポートを行うことが可能です

  2. (2)後遺障害等級認定を有利に進められる可能性がある

    後遺障害等級は、画像所見や検査だけでなく、日常生活・職場・介護の実態など幅広い資料で判断されます。高次脳機能障害や外傷性てんかんなど、見た目ではわかりにくい後遺症は、資料の不足や説明不足で低い等級になりやすい傾向があります。

    弁護士に依頼すると、

    • 症状固定のタイミング
    • 後遺障害診断書の確認
    • 必要資料の収集
    • 生活面の変化の整理
    • 争点となりやすい検査項目の把握

    など実務的なサポートを受けられ、適切な等級認定につながる可能性があります。

  3. (3)保険会社との示談交渉を任せることができる

    保険会社は、示談において、休業損害期間や労働能力喪失率、逸失利益、慰謝料などを低く評価して提示することがあります。家族が医学的・制度的知識を持たないまま交渉するのは難しく、示談成立後の増額は困難です。

    弁護士が交渉を担当することで、法的基準に基づいた賠償額の提示が可能になり、家族の負担も軽くなります

  4. (4)適正な慰謝料・損害賠償額の獲得が期待できる

    慰謝料には「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の三つがあり、一般的に弁護士基準がもっとも高額になります。

    外傷性くも膜下出血のように重い後遺症が残ったケースでは、後遺障害慰謝料や逸失利益が賠償額の大部分を占めるため、基準選択が結果に大きく影響します。

    弁護士が関与すると、被害者にとって有利な弁護士基準により交渉ができますので、適正な慰謝料・損害賠償額獲得の可能性が高くなります

  5. (5)本人や家族の精神的・時間的負担を軽減できる

    事故後は治療・転院・リハビリ・役所手続き・職場調整など、家族が対応するべき事柄が重なります。それに加えて損害賠償や後遺障害等級の手続きを同時に進めることは大きな負担です。

    弁護士に依頼することで、対応すべき事務が整理され、家族は治療や生活面のサポートに集中しやすくなります。

6、まとめ

外傷性くも膜下出血は、交通事故後に意識障害や高次脳機能障害、しびれなどの後遺症が生じることがあり、本人だけでなく家族の生活にも影響します。

交通事故の場合は、後遺障害等級認定や損害賠償請求によって治療費や逸失利益、慰謝料などの補償を受けられる可能性がありますが、医療と法律の両面から手続きを進める必要があり、家族だけで対応するのは負担が大きい場面もあります。

ベリーベスト法律事務所では、外傷性脳損傷や高次脳機能障害などの後遺障害案件にも対応し、等級認定や示談交渉をサポートしています。制度や手続きに不安がある場合は、当事務所までお気軽にご相談ください

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この記事の監修者
パートナー弁護士
弁護士会登録番号 : 49321

交通事故部マネージャー弁護士として、交通事故(被害者側)、労災問題(被災労働者側)及びその周辺分野に精通しています。マネージャーとして全体を統括し、ノウハウの共有に努めつつ、個人としても多数の重傷案件を含む400件以上の案件を解決に導いてきました。お客様と真摯に向き合い最善の解決を目指すことをモットーとしています。

この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

交通事故部マネージャー弁護士として、交通事故(被害者側)、労災問題(被災労働者側)及びその周辺分野に精通しています。マネージャーとして全体を統括し、ノウハウの共有に努めつつ、個人としても多数の重傷案件を含む400件以上の案件を解決に導いてきました。お客様と真摯に向き合い最善の解決を目指すことをモットーとしています。

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