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過失割合で加害者にゴネ得させない! 被害者が行うべき対処方法

公開日:2023年9月13日 慰謝料・損害賠償 示談交渉
交通事故で被害者と加害者の双方に非がある場合には、「過失割合」を決める必要があります。過失割合とは、交通事故において、加害者・被害者の責任がどれくらいなのか数値で示したもので、この割合によって損害賠償金の支払額・受取額が決まります。

そのため、加害者が自分に有利な過失割合にするために、実際の事故状況とは異なる事情など加害者の有利になるように主張して、ゴネ得をしようとすることがあります。

加害者によるゴネ得を認めてしまうと、被害者が受け取れる賠償額が大きく減額される可能性があります。安易に承諾せず、弁護士のサポートを受けながら適切に交渉することが重要です。

今回は、加害者のゴネ得を許さないために被害者が行うべき対策などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、加害者が過失割合でゴネ得するのは本当?

過失割合を決める話し合いにおいて、加害者がゴネ得をしようとすることがあります。それは、以下のような理由があるからです。

  1. (1)過失割合のゴネ得とは

    過失割合のゴネ得とは、交通事故の加害者が実際の事故状況や事故態様とは異なる事実など自分の有利になるように主張して、自分の過失割合を下げようとすることをいいます。

    交通事故の示談交渉では、加害者が自らの過失割合を認めなければ、示談を成立させることができません。そのため、加害者がゴネることで被害者が折れ、加害者が自分に有利な過失割合を認めさせようとするケースがあると考えられているのです。

  2. (2)加害者がゴネ得しようとする理由

    加害者がゴネ得しようとする理由には、以下の理由があります。

    ① 賠償額を低く抑えたいから
    損害賠償額は、過失割合を踏まえて決められますので、加害者としては、自身の過失割合を低くすることで、最終的に支払う賠償額を少なくすることができます。そのため、賠償額を低く抑えたいと考えた加害者が、事実と異なる過失割合を主張しだすことがあります。

    ② 被害者が妥協するのを待っている
    被害者と加害者の双方に過失がある事故では、保険会社の担当者同士で過失割合の交渉が行われます。保険会社の担当者は、契約者に代わって示談交渉をしているに過ぎませんので、契約者の意向を無視して示談を成立させることはできません。

    加害者が保険会社の提示した過失割合に納得しなかった場合には、示談ができないまま話し合いがストップしてしまいます。示談が成立しなければ、被害者は賠償金をもらうことができません。上記①を考えている加害者はゴネることで、「少ない額でもいいから早く賠償金を支払ってほしい」と、被害者が妥協するのを待っているのかもしれません。

2、過失割合で妥協しないほうがよい理由と対策

加害者のゴネ得を許さないためにも、被害者は、しっかりと対策をとることが大切です。

  1. (1)過失割合で妥協しないほうがよい理由

    過失割合で妥協してしまうと、最終的に受け取ることができる賠償金が減額されるため、安易に相手の主張をのんではいけません。

    たとえば、交通事故で後遺障害が生じた場合には、1000万円を超える賠償額になることも少なくありませんが、過失割合が10~20%変わってくると、受け取れる金額が100~200万円も少なくなってしまいます。

    交通事故の賠償金は、被害者の被った損害を回復するための大切なお金ですので、加害者のゴネ得を許さず、適正な金額を受け取ることが重要です

  2. (2)過失割合で妥協しないための対策

    過失割合で妥協しないためにも、加害者のゴネ得に対しては、以下のような対策をとりましょう。

    ① 過失割合の根拠を書面で提出するよう求める
    加害者が過失割合でゴネているときは、加害者が主張する過失割合の根拠を書面で提出するように求めましょう。加害者の主張の根拠を知れば、被害者としても適切に反論することができます。また、加害者が理由もなくゴネているのであれば、根拠を提示することはできないため、加害者のゴネ得には理由がないと証明できるでしょう。

    ② ドライブレコーダーなどの客観的証拠を提出する
    加害者が主張する事故態様と実際の事故態様が異なっている場合には、そのことを立証することで相手を説得できる可能性があります。

    その際、有力な証拠になり得るのがドライブレコーダーや事故現場周辺の防犯カメラの映像です。これらは、事故状況を映した客観的証拠ですので、事故状況がしっかりと映っていれば言い逃れすることはできないでしょう。

    ③ 事故の目撃者に証言してもらう
    交通事故の現場に目撃者がいれば、証言してもらうこともゴネ得への対策になります。第三者の証言は当事者の主張と比較すれば、一方当事者に肩入れすることはないという点で一般的には信用性が高いといえますので、証拠としての一定の価値があるといえます。被害者個人で目撃者を探し出すことは困難ですが、現場での聞き込みやSNSなどを利用して探してみるのもひとつの方法です。

    ④ 実況見分調書、供述調書などの刑事記録を提出する
    人身事故(事故によって怪我を負った場合)については、警察に人身事故の届出をすることによって、実況見分などの調査が行われます。捜査の結果、加害者の刑事処分が確定すると、実況見分調書や供述調書などの刑事記録の開示を受けられるようになります。これらの記録は、有力な証拠として扱われることが多いです。

3、過失割合の決め方と修正要素

交通事故の過失割合は、どのような方法で決めるのでしょうか。

  1. (1)基本的な過失割合の決め方

    交通事故の過失割合は、過去の交通事故の裁判例などを踏まえて類型化された一定の基準により決められます。

    過失割合の基準は、『民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準[全訂5版]』(別冊判例タイムズ38号)にまとめられており、交通事故の実務に携わる弁護士、裁判所、保険会社などが利用しています。

    実際に事故が生じた場合には、

    • 事故態様などから基本となる過失割合を選択
    • 個別具体的な状況に応じた修正要素を踏まえて基本の過失割合を修正
    • 最終的な過失割合を決定

    という流れになります。

  2. (2)保険調査員とアジャスターの違いと役割

    保険会社が保険金を支払う際には、保険調査員やアジャスターによる調査が行われることがあります。

    保険調査員とアジャスターは、ともに事故態様などの調査を行うという点で共通します。ただし、アジャスターは一般社団法人日本損害保険協会に登録された人を指しますので、より専門性が高いといえます。

    過失割合が問題になる事案では、アジャスターが事故態様や車の破損状況などの調査を行い、保険会社に意見書を提出します。保険会社では、アジャスターの意見書をもとに過失割合を決定しますので、アジャスターの意見書は、過失割合を決めるうえで重要な役割を担っています。

    なお、アジャスターが介入できるのは、保険加入者の事案だけですので、無保険の個人がアジャスターに調査を依頼することはできません。

  3. (3)過失割合の具体例4つ

    以下では、事故類型に応じた具体的な過失割合を紹介します。

    ① 車 対 車
    信号機のない交差点で同一道路を対向方向から侵入する直進車(A)と右折車(B)が衝突した場合、直進車が優先となりますので、基本の過失割合は、以下のようになります。
    A:B=20:80

    ただし、右折車が交差点ですでに右折を完了しているまたはそれに近い状態であった場合には、右折車に有利に過失割合が修正され、以下のようになります。
    A:B=30:70

    ② 車 対 バイク
    交差点において左折しようとする車(A)が後方から直進するバイク(B)を巻き込んで衝突してしまった場合の基本の過失割合は、以下のようになります。
    A:B=80:20

    ただし、左折車がウインカーなどの合図をせず左折した場合には、直進するバイクは左折に気付くことができませんので、左折車に不利に過失割合が修正され、以下のようになります。
    A:B=90:10

    ③ 車 対 自転車
    信号機のない交差点で、直進してきた自転車(A)と直進する車(B)とが出合い頭に衝突した場合には、自転車側がいわゆる交通弱者となることなどから直進車の過失が大きいと考えられるため、基本の過失割合は、以下のようになります。
    A:B=20:80

    さらに、直進車の道路に一時停止の規制がある場合には、一時停止義務のある直進の過失がより大きいと考えられるため以下のようになります。
    A:B=10:90

    ④ 車 対 歩行者
    信号機のない横断歩道上を歩いて渡っていた歩行者(A)と車(B)が衝突した場合の基本の過失割合は、以下のようになります。
    A:B=0:100

    ただし、夜間の横断であった場合には、気付きにくい部分もありますので、歩行者に不利に過失割合が修正され、以下のようになります。
    A:B=5:95

4、弁護士に対応を依頼するメリット

弁護士に交通事故の事案を依頼することで、以下のようなメリットが得られます。

  1. (1)過失割合をはじめとした交渉をすべて委任できる

    過失割合に争いがある場合には、当事者同士の話し合いで適切な過失割合を決めていく必要があります。しかし、交通事故の知識や交渉の経験がない場合、経験豊富な保険会社の担当者を相手に、有利な主張を認めさせるのは容易ではありません。

    弁護士に依頼すれば、過失割合をはじめとしたすべての交渉を任せることができ、有利な条件で示談が成立する可能性が高くなります。また、過失割合でゴネる加害者と対面する必要もなくなりますので、精神的なストレスが大幅に軽減されるでしょう。

  2. (2)裁判所基準で慰謝料を請求できる

    弁護士に依頼をすることで、慰謝料額を増額できる可能性があります。

    慰謝料の算定基準には、自賠責保険基準、任意保険基準、裁判所基準(弁護士基準)の3種類があり、そのうち裁判所基準は慰謝料額が最も高額になる基準になります。裁判所基準を用いて示談交渉をすることができるのは弁護士に限られます。そのため、弁護士に依頼することで慰謝料の増額が期待できます

    少しでも多くの慰謝料を受け取りたいという場合には、まずは、交通事故トラブルの実績がある弁護士へ相談することをおすすめします。

5、まとめ

交通事故では、加害者が適正でない過失割合を主張しゴネるケースがあります。安易に加害者の主張に従ってしまうと相手のゴネ得となり、本来受け取れるはずの損害賠償金が減ってしまうリスクがあります。

ゴネ得は許さず、適切に対応することが大切です。ただし、過失割合でゴネる加害者や保険会社を相手に、個人で交渉するのは非常にストレスがかかります。事故後は、通院やケガの治療だけでも負担が大きいものです。おひとりで悩まず、まずはベリーベスト法律事務所までお気軽にご相談ください。交通事故の実績がある弁護士が親身にお話を伺います。

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