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後遺障害等級5級に認定されうる主な症状は? 併合5級のときの賠償金

公開日:2023年8月15日 後遺障害 慰謝料・損害賠償
交通事故の後遺症について損害賠償を請求する場合、正しい後遺障害等級の認定を受けることが非常に重要です。

後遺障害等級5級は、交通事故の後遺症について認定される等級の中でも重く、適切な補償を受けるためにもしっかりと損害賠償を請求していかなければなりません。

後遺障害等級の認定には、医学的知見や交通事故における損害賠償の知識が重要となります。弁護士にご相談いただければ、後遺障害等級認定の手続きから全面的にサポートし、適正な損害賠償を獲得できるよう尽力します。

今回は、後遺障害等級5級の認定基準や主な症状とともに、請求できる損害賠償の具体的な種類や金額を、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、【後遺障害等級5級】認定基準と主な症状

後遺障害等級5級が認定される後遺症のケースは、詳細に定められています。
以下、後遺障害等級5級の認定基準と主な症状についてみていきましょう。

参考:「後遺障害等級表」(国土交通省)

  1. (1)失明、視力の著しい低下

    片方の眼を失明し、もう一方の眼の視力が0.1以下になった場合には、後遺障害等級5級に該当します。

    5級1号 一眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
  2. (2)神経系統の機能・精神・胸腹部臓器の著しい障害

    神経系統の機能・精神・胸腹部臓器の著しい障害により、特に簡単な業務を除いて全く仕事ができなくなった場合には、後遺障害等級5級に該当します。

    5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
    5級3号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの

    「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し」た場合に当たるのは、脳・神経などの機能にダメージを受けた場合です(例:高次脳機能障害)。

    「胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し」た場合に当たるのは、脳・神経以外の臓器の機能にダメージを受けた場合です。

    このように、交通事故によって身体にダメージを受けた結果、特に簡単な業務しかできなくなってしまったケースにおいて後遺障害等級5級が認定されます。

  3. (3)片手、片足の切断

    片腕(一上肢)を手関節※以上で失った場合、片脚(一下肢)を足関節以上で失った場合には、後遺障害等級5級に該当します。
    ※片腕をひじ関節以上で失った場合は後遺障害等級4級4号に該当します。
    ※片脚をひざ関節以上で失った場合は後遺障害等級4級5号に該当します。

    5級4号 一上肢を手関節以上で失ったもの
    5級5号 一下肢を足関節以上で失ったもの
  4. (4)片腕、片脚の機能全廃(機能の完全喪失)

    片腕または片脚の用を全廃した場合には、後遺障害等級5級に該当します。
    ※両腕の用を全廃した場合は後遺障害等級1級4号に該当します。
    ※両脚の用を全廃した場合は後遺障害等級1級6号に該当します。

    5級6号 一上肢の用を全廃したもの
    5級7号 一下肢の用を全廃したもの

    腕の「用を全廃した」とは、肩関節・ひじ関節・手関節のすべてが全く動かないか、正常な方の腕と比べて10%程度以下に制限されており(=強直)、かつ動かなくなった腕の全手指について用を廃している(末節骨の半分以上を失うもの、又は中手指節関節若しくは近位指節間関節(母指にあっては指節間関節)の可動域が正常な方の指と比べて50%以下に制限されるもの等)状態を意味します。また、上腕神経叢(頚椎、首から腕にかけて繋がっている神経)が完全に麻痺した状態も含まれます。

    脚の「用を全廃した」とは、股関節・ひざ関節・足関節のすべてが強直した状態を意味します。股関節・ひざ関節・足関節のいずれかが硬直し、かつ動かなくなった脚の全足指について用を廃している状態も含まれます。

  5. (5)両足指の全切断

    両足の指をすべて切断した場合は、後遺障害等級5級に該当します。

    5級8号 両足の足指の全部を失ったもの

2、【損害賠償の主な種類】加害者に何が請求できるか?

交通事故の被害に遭った場合、加害者に対して損害賠償請求ができます。損害賠償といっても項目は多種多様なため、何が請求できるのか、しっかり理解しておく必要があります。

後遺障害等級5級に該当する場合、治療費等・休業損害・慰謝料・逸失利益などを併せると、かなり高額の損害賠償が認められることも少なくありません
弁護士とともに十分な準備を整えたうえで請求を行いましょう。

  1. (1)治療費等

    交通事故によるケガを治療するためには、さまざまな費用が必要になります。

    治療において通院や入院、器具の購入などについて費用を支出した場合、実費全額の損害賠償を加害者に請求することができます。

    (例)
    • 入院費
    • 手術費用
    • 通院治療費
    • 通院交通費
    • 装具、器具購入費
    など
  2. (2)休業損害

    交通事故のケガを治療するために仕事を休んだ場合、休業期間中の賃金(休業損害)に対する賠償を請求することができます。

    休業損害の計算式は、以下のとおりです。

    休業損害=1日当たりの基礎収入×休業日数
    ※休業日数として認められるのは、症状固定までの休業のみ


    1日当たりの基礎収入とは、被害者の仕事に応じた以下の式によって計算される金額です。

    <1日当たりの基礎収入>
    • 会社員の場合:事故前3か月の給与合計額÷90日(連続して休業している場合)
    • 自営業者の場合:事故前年度の年間所得÷365日
    • 専業主婦の場合:賃金センサスの女性労働者の全年齢平均給与額÷365日


    たとえば、交通事故の被害者が会社員で、事故前3か月の給与合計額が90万円、症状固定前の休業が250日に及んだとします。

    この場合をシミュレーションすると、休業損害は250万円です。

    休業損害
    =90万円÷90日×250日
    =250万円
  3. (3)慰謝料

    交通事故によって被った精神的損害については、加害者に対して「入通院慰謝料」と「後遺障害慰謝料」の2種類を請求できます。

    ① 入通院慰謝料
    ケガの治療のために入院・通院を強いられたことについての慰謝料です。

    ② 後遺障害慰謝料
    後遺症を負ったことについての慰謝料です。


    特に後遺障害慰謝料については、後遺障害等級5級に該当する場合で1400万円と非常に高額です(弁護士基準)。

  4. (4)逸失利益

    後遺症によって労働能力が失われ、将来にわたって減少した収入(=逸失利益)の賠償も請求できます。

    逸失利益の計算式は、以下のとおりです。

    逸失利益
    =1年当たりの基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

    参考:「就労可能年数とライプニッツ係数表」(国土交通省)

    後遺障害等級5級に該当する場合、労働能力喪失率は「79%」です。

    たとえば、交通事故に遭った時点で42歳(就労可能年数:25年)、1年当たりの基礎収入(年収)が500万円だったとします。

    この場合、後遺障害等級5級の逸失利益は6878万円余りで、後遺障害慰謝料と合わせると8000万円を超えます。

    逸失利益
    =500万円×79%×17.413
    =6878万1350円

3、【損害賠償の増額を希望する方へ】弁護士を代理人とするメリット

弁護士を代理人として請求を行えば、交通事故の損害賠償額を増額できる可能性があります

後遺障害等級5級に該当する場合、重い後遺障害に苦しむ方も少なくありません。弁護士を代理人に選任して示談交渉や訴訟手続きに臨むことで、次のような損害賠償の増額が期待できます。

  1. (1)弁護士基準(裁判所基準)の選択で増額

    加害者側(任意保険会社)の提示する保険金額は「自賠責保険基準」「任意保険基準」に基づいて算出されています。これらの基準は、裁判所で用いられる基準に比べて、かなり金額が低いため、被害者に生じた客観的な損害額を補填するには遠く及びません。

    弁護士は、「弁護士基準(裁判所基準)」に基づいて、客観的な損害額を算出し、損害賠償請求を行います。

    弁護士基準を選択することで、公正かつ被害者に有利な基準に基づき、損害賠償の増額が認められる可能性があります。

    (例)
    後遺障害等級5級の後遺障害慰謝料
    • 自賠責保険基準:618万円
    • 弁護士基準:1400万円
    →782万円の増額
  2. (2)賠償拒否に対する損害認定で増額

    賠償請求は加害者本人ではなく、任意保険会社に対して行われますが、一般に保険会社は保険金の支払いを少しでも抑えようとします。そのため、被害者に損害が生じているにもかかわらず、交通事故との因果関係を認めず支払いを拒否することがあります。

    弁護士は、任意保険会社が拒否する項目を含めて、被害者に生じた客観的な損害のすべてについて主張・立証を尽くし、損害賠償の獲得・最大化を目指します

  3. (3)併合等級の認定で増額

    被害者が複数の後遺症を負った場合、各後遺症の内容に応じた「併合等級」が認められ、最終的な後遺障害等級が繰り上がる可能性があります。

    • ① 5級以上に該当する身体障害が2つ以上:最も重い等級+3級
    • ② 8級以上に該当する身体障害が2つ以上:最も重い等級+2級
    • ③ 13級以上に該当する身体障碍が2つ以上:最も重い等級+1級


    弁護士は、被害者が負った後遺症、すべてについて併合等級を主張し、任意保険会社が提示する損害賠償の増額を目指します。

    (例)
    加害者側(任意保険会社)は後遺障害等級6級を主張していたが、追加で主張した12級相当の後遺障害が認められ、併合等級5級が認定されると支払われる後遺障害慰謝料
    • 6級(自賠責保険基準):512万円
    • 5級(弁護士基準):1400万円
    →888万円の増額

4、【判例】後遺障害等級5級のケース

後遺障害等級5級に相当する後遺症を巡って、損害賠償責任が争われた裁判例を2つ紹介します。

  1. (1)原付の追突事故で右腕が完全麻痺し後遺障害等級5級に認定された判例

    【大阪地裁平成20年11月26日判決/平成17年(ワ)第11164号】
    被害者が原付バイク(原動機付自転車)を運転中に追突事故に遭い、右腕が完全に麻痺する後遺症を負った事案です。

    大阪地裁は、被害者の後遺症が後遺障害等級5級6号に該当することを認定したうえで、6409万円余りの逸失利益と、1440万円の後遺障害慰謝料の支払いを命じました。

  2. (2)8歳の児童が交通事故で高次機能障害を負い総額約1億円の損害賠償が命じられた判例

    【名古屋地裁平成25年3月19日判決/平成22年(ワ)第912号】
    事故当時8歳の子どもが自転車を運転中に交通事故に遭い、2年間の治療の末に高次脳機能障害が残った事案です。

    名古屋地裁は、高次脳機能障害が後遺障害等級5級に該当することを認定したうえで、逸失利益5346万円余り、将来付添費2114万円余り、後遺障害慰謝料1400万円など、総額約1億円の損害賠償を命じました。

5、まとめ

後遺障害等級5級に該当する場合、金額の大きい後遺障害慰謝料・逸失利益を中心に、加害者に対して高額の損害賠償を請求できる可能性があります。獲得できる損害賠償額を最大化するには、弁護士への依頼をおすすめします。

ベリーベスト法律事務所では、交通事故の損害賠償に関するご相談を随時受け付けております。適切な損害賠償請求獲得や後遺障害等級認定のため、交通事故専門チームが医療コーディネーターと連携しサポートいたします。

交通事故によって重い後遺症を患い、加害者に対して損害賠償を請求したい方は、ぜひ一度ベリーベスト法律事務所にご相談ください。

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