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顔(耳)の後遺障害

耳は大きく分けて「外耳」、「中耳」、「内耳」の3つに分けられます。

外耳は、耳介と外耳道に分けられ、外耳道の奥に鼓膜が張っています。中耳は、鼓膜から奥の部分をいい、鼓室、耳小骨、耳管に分けられます。また内耳は、耳のなかでもっとも内側にある部分であり、前庭系、蝸牛、三半規管に分けられます。

耳に関する後遺障害としては、聴力障害(機能障害)、耳殻の欠損(欠損障害)、その他の障害に分けられます。なお、内耳の損傷によって平衡機能に障害が生じることがありますが、神経系統の機能障害の一部として評価できるため、平衡機能障害に関しては神経系統の機能障害として位置づけられます。

今回は、このような「耳」に関する後遺障害について解説します。

両耳の聴力障害


(1)両耳の聴力に関するもの

両耳の聴力に関する後遺障害等級と具体的な内容、認定基準は以下のとおりです。

等級 後遺障害
4級3号 内容 両耳の聴力を全く失ったもの
認定基準 両耳の平均純音聴力レベルが90dB以上のもの、または両耳の平均純音聴力レベルが80dB以上であり、かつ、最高明瞭度が30%以下のもの
6級3号 内容 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
認定基準 両耳の平均純音聴力レベルが80dB以上のもの、または両耳の平均純音聴力レベルが50dB~80dB未満であり、かつ、最高明瞭度が30%以下のもの
6級4号 内容 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
認定基準 1耳の平均純音聴力レベルが90dB以上のものであり、かつ、他耳の平均純音聴力レベルが70dB以上のもの
7級2号 内容 両耳聴力が40cm以上の距離では、普通の話声を解することができない程度になったもの
認定基準 両耳の平均純音聴力レベルが70dB以上のもの、または両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上であり、かつ、最高明瞭度が50%以下のもの
7級3号 内容 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
認定基準 1耳の平均純音聴力レベルが90dB以上のものであり、かつ、他耳の平均純音聴力レベルが60dB以上のもの
9級7号 内容 両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話し声を解することができない程度になったもの
認定基準 両耳の平均純音聴力レベルが60dB以上のもの、または両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上であり、かつ、最高明瞭度が70%以下のもの
9級8号 内容 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
認定基準 1耳の平均純音聴力レベルが80dB以上のものであり、かつ、他耳の平均純音聴力レベルが50dB以上のもの
10級5号 内容 両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話し声を解することが困難である程度になったもの
認定基準 両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上のもの、または両耳の平均純音聴力レベルが40dB以上であり、かつ、最高明瞭度が70%以下のもの
11級5号 内容 両耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
認定基準 両耳の平均純音聴力レベルが40dB以上のもの

(2)両耳の聴力レベルと最高明瞭度の組み合わせによる認定基準

両耳聴力
90dB以上 80dB以上90dB未満 70dB以上80dB未満 60dB以上70dB未満 50dB以上60dB未満 40dB以上50dB未満
最高明瞭度 30%以下 - 4級3号 6級3号 10級5号
50%以下 - - - 7級2号
70%以下 - - - - 9級7号

片耳の聴覚障害

片耳の聴力に関する後遺障害等級とその内容、認定される基準は以下のとおりです。

(1)片耳の聴力に関するもの

等級 後遺障害
9級9号 内容 1耳の聴力を全く失ったもの
認定基準 1耳の平均純音聴力レベルが90dB以上のもの
10級6号 内容 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
認定基準 1耳の平均純音聴力レベルが80dB以上90dB未満のもの
11級6号 内容 1耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
認定基準 1耳の平均純音聴力レベルが70dB以上80dB未満のもの、または1耳の平均純音聴力レベルが50dB以上であり、かつ、最高明瞭度が50%以下のもの
14級3号 内容 1耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
認定基準 1耳の平均純音聴力レベルが40dB以上70dB未満のもの

(2)1耳と他耳との聴力レベルの組み合わせによる認定基準

片耳の場合、もう片方の耳との聴力レベルと合わせて、以下のような等級となります。

1耳聴力
90dB以上 80dB以上90dB未満 70dB以上80dB未満 60dB以上70dB未満 50dB以上60dB未満 40dB以上50dB未満
1耳聴力 90dB以上 4級3号 6級3号 6級4号 7級3号 9級8号 -
80dB以上90dB未満 6級3号 7級2号 9級7号
70dB以上80dB未満 6級4号 7級2号 10級4号 11級5号
60dB以上70dB未満 7級3号 9級7号
50dB以上60dB未満 9級8号 10級4号
40dB以上50dB未満 - 11級5号

後遺障害等級認定獲得のためのポイント

(1)検査方法

聴力障害(機能障害)は、「標準純音聴力検査」と「語音聴力検査」を行い、その結果によって判断することになります。

①標準純音聴力検査

標準純音聴力検査とは、オージーメーターという機械を用いて、異なる周波数の音に対する聞こえ方を調べる検査です。検査の方法には、気導検査と骨導検査があり、気導検査はヘッドホンから出た音を聞き取る能力を調べる検査のことをいい、骨導検査は耳の骨に直接振動を与えて聴力を測定する検査のことをいいます。

標準純音聴力検査は、日を変えて3回行い、検査と検査の間隔は7日程度空ける必要があります。

②語音聴力検査

語音聴力検査とは、「ア」とか「イ」などの日常使っている言語音を検査音として用いて、どの程度正しく聞き取ることができるのかを調べる検査です。外耳道や鼓膜などに異常のある伝音性難聴では、音を強くしていけば正答率は上がりますが、感音性難聴では、音を強くしたとしても100%の正答率にならないことがあります。

語音聴力検査の結果は、明瞭度として%で表すことになります。

(2)後遺障害等級認定のポイント

耳に障害が残った場合の後遺障害等級認定を受けるためのポイントを説明します。

①早めに検査を受ける

耳の聞こえ方が悪いなどの聴力障害の疑いが生じた場合には、交通事故に遭った後、すぐに検査を受ける必要があります。事故から時間が経ってから検査を受けて聴力障害が明らかになったとしても、事故とは別の原因で生じた可能性を疑われ、因果関係が否定される可能性があります。そのため、耳に異常を感じた場合には、すぐに検査を受けるようにしましょう。

なお、聴力障害は、頭部外傷による聴覚神経の損傷によっても生じるケースがありますので、耳鼻科での受診だけでなく、脳神経外科や神経内科も受診するとよいでしょう。

②病状を正確に伝えて診断書に記載してもらう

後遺障害等級認定の手続きは、診断書などの書面審査が中心となります。そのため、被害者自身に難聴などの聴力障害が生じていたとしても、それが診断書に記載されていなければ、適切な後遺障害等級認定を受けることはできません。

病院を受診する際には、いつから難聴が生じたか、どの程度の難聴かなど具体的な自覚症状を正確に伝えるとともに、それを診断書に記載してもらうことが重要です。また、聴力障害の検査としては、上記のとおり「標準純音聴力検査」と「語音聴力検査」がありますので、これらの検査結果についても正確に記載してもらうことが重要となります。

耳鳴りと耳漏

(1)耳鳴りと耳漏の後遺障害等級

等級 後遺障害
12級相当 ・30dB以上の難聴を伴い、著しい耳鳴りが常時あると評価できるもの
・30dB以上の難聴で、常時耳漏を残すもの
14級相当 ・30dB以上の難聴を伴い、常時耳鳴りのあることが合理的に説明できるもの
・30dB以上の難聴で、耳漏を残すもの

(2)耳鳴りと耳漏の障害の内容

①耳鳴りの障害の内容

耳鳴りで後遺障害等級認定を受けるためには、30dB以上の難聴を伴うことが条件となります。後述するピッチ・マッチ検査とラウンドネス・バランス検査によって耳鳴りが存在すると医学的に評価できる場合(他覚所見)には、12級相当が認定されます。また、他覚所見はないものの、耳鳴りの自覚症状があり、耳鳴りのあることが外傷などから合理的に説明することができる場合には、14級相当が認定されます。

②耳漏の障害の内容

耳漏とは、交通事故の外傷によって鼓膜に穴が開き、外耳道から分泌物が流れ出ることをいいます。耳漏で後遺障害等級認定を受けるためには、耳鳴りと同様に、30dB以上の難聴を伴うことが条件となります。

(3)検査方法

耳鳴りの検査方法としては、以下の「ピッチ・マッチ検査」と「ラウンドネス・バランス検査」の2つがあります。

①ピッチ・マッチ検査

ピッチ・マッチ検査とは、耳鳴りがどのくらいの音の高さであるかについて検査機器の音と比べて調べる方法のことをいいます。

②ラウンドネス・バランス検査

ラウンドネス・バランス検査とは、耳鳴りがどのくらいの音の大きさであるかについて検査機器の音と比べて調べる方法のことをいいます。

耳介の欠損障害

(1)耳介の欠損障害の後遺障害等級

等級 後遺障害
12級4号 1耳の耳介の大部分を欠損したもの

(2)耳介の欠損障害の内容

「耳介の大部分を欠損したもの」とは、耳介の軟骨部の2分の1以上を欠損したものをいいます。なお、両耳の耳介を欠損した場合には、1耳ごとに等級を定めて、これを併合することになります。

また、耳介の欠損は、外貌の醜状障害に該当する可能性もあります。たとえば、耳介の大部分の欠損は、12級4号に該当することになりますが、同時に「外貌に著しい醜状を残すもの」として7級12号にも該当することになります。このように、耳介の欠損障害と外貌の醜状障害のいずれにも該当する場合には、いずれか上位の等級が認定されることになります。

なお、耳介の軟骨部の2分の1未満を欠損した場合には、耳介の欠損障害には該当しませんが、「外貌に醜状を残すもの」として、12級14号に該当する可能性があります。

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