醜状(下肢)の後遺障害

目次

  1. 醜状の症状と治療法
  2. 足の傷跡(下肢醜状)の後遺障害等級認定
  3. 瘢痕の程度によっては〇級相当と認定されることもある
  4. 後遺障害等級認定獲得のためのポイント

醜状の症状と治療法

醜状(しゅうじょう)とは、一般的に「人目につく程度以上の傷痕が残ってしまった状態」を指します。
治療を行っても残りうる醜状としては、

などがあります。

これらの諸症状に対しては、形成外科で治療が行われています。たとえば、ケロイドについては放射線治療等により、線状痕などについては真皮縫合と呼ばれる皮下縫合により、ある程度目立たなくすることが可能となっています。

足の傷跡(下肢醜状)の後遺障害等級認定

下肢醜状として定められている後遺障害等級は、14級5号(下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの)のみです。

ここで、下肢における「露出面」とは、自賠責認定実務では、大腿(太もも)から足背部までとされています。また、てのひらの大きさとは、指以外の部分を指し、被害者のてのひらが基準です。

複数の瘢痕や線状痕がある場合には、それらの面積を合計して評価することとなります。

等級 症状 自賠責基準 裁判基準
14級5号 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの 32万円 110万円

瘢痕の程度によっては〇級相当と認定されることもある

本来、醜状の等級は以下のどれかが定義されています。

外貌醜状(顔の醜状)

  • 7級12号「著しい醜状」
  • 9級16号「相当程度の醜状」
  • 12級14号「醜状」

上肢醜状(腕の醜状)

  • 14級4号

下肢醜状(足の醜状)

  • 14級5号

しかし、醜状については、等級として定められているもの以外であっても、等級認定されることがあります。

たとえば、上肢または下肢の露出面において、てのひらの3倍以上の瘢痕があれば、特に著しい醜状と判断され、12級相当と判断されます。このように、下肢醜状であれば等級は14級5号ですが、それ以上の等級が認定されることもあるのです。

また、露出面以外の瘢痕でも等級認定を受けられることがあります。

12級相当

胸部と腹部、または背部と臀部の合計面積の2分の1以上に瘢痕を残している

14級相当

胸部と腹部、または背部と臀部の合計面積の4分の1以上に瘢痕を残している

後遺障害等級認定獲得のためのポイント

醜状痕の後遺障害認定には、醜状が存在することが前提となりますが、さらに、他人から見て酷いと思われる程度、人目につく程度以上でなければならないとされています。そこで、認定にあたっては、調査事務所で面接調査を行い、そこで色素沈着の程度、部位、形態などの確認を行って最終的な判断をすることになります。

上記のように、醜状痕については、客観的に判断できる明確な基準があるとはいえないので、どうしても調査する者の主観が入る余地があります。そこで、面接調査にあたっては、弁護士などが同行し、適切に計測等がなされているかをチェックすることが大切です。

後遺障害等級認定サポートへ戻る
メールで相談 24時間受付 電話で無料相談 平日9:30~21:00 土日祝9:30~18:00