交通事故の慰謝料相場と計算方法|弁護士依頼で増額しうる理由

交通事故における「慰謝料」とは、治療費などの実質的な損害のほかに精神的苦痛に対する補償のことです。

交通事故で怪我をした被害者は、恐怖や苦痛により多大な精神的苦痛を受けます。また、入院や通院が長引いたケースや、怪我が治らずに後遺障害が残れば、そのことによる精神的な苦痛も生じるため、法律に基づいて精神的苦痛を慰謝するための金銭を請求できるのです。

しかし、そもそも慰謝料を算定する基準と慰謝料の種類はそれぞれ3種もあり、保険会社が提示する金額のほとんどが、低い算定基準を用いて算定されています。

適正な慰謝料の支払いを受けるためにも、示談書にサインをしてしまう前に、交通事故慰謝料の種類、計算方法や慰謝料の請求先、増額・減額要素など、正しい相場と適切な金額を請求する方法など、交通事故慰謝料に関する基本事項を知ってください。

交通事故慰謝料は弁護士基準で増額を!相場・計算方法・請求先を徹底解説

この記事でわかること

  1. 1、3つの算定基準と3種の慰謝料|提示額が異なる理由
    1. (1)自賠責保険基準・任意保険基準・裁判所基準(弁護士基準)とは
    2. (2)交通事故で請求できる3種類の慰謝料
    3. (3)慰謝料以外に請求できる項目
  2. 2、入通院(傷害)慰謝料の算出方法と相場
    1. (1)自賠責保険基準における計算方法
    2. (2)裁判所基準(弁護士基準)の算定表
    3. (3)計算シミュレーション|むちうちで6か月通院したら?
  3. 3、後遺障害慰謝料の計算方法と等級一覧
    1. (1)後遺障害等級ごとの慰謝料推移表|自賠責・裁判所基準比較
    2. (2)各等級の詳細と計算シミュレーション
  4. 4、死亡慰謝料の計算方法と相場
    1. (1)自賠責保険から支払われる死亡慰謝料の相場
    2. (2)裁判所基準で請求した場合の死亡慰謝料の相場
  5. 5、慰謝料が増額・減額・請求権の消滅(時効)するケースの判断基準
    1. (1)増額事由 ➀|加害者の運転行為が悪質
    2. (2)増額事由 ➁|加害者の事故後の態度や行動が悪質
    3. (3)増額事由 ➂|被害者の受けた傷害・被害の程度が大きい
    4. (4)減額事由 ➀|過失相殺
    5. (5)減額事由 ➁|素因減額
    6. (6)減額事由 ➂|無償同乗
    7. (7)減額事由 ➃|損益相殺
    8. (8)時効を迎えると請求できない
  6. 6、交通事故慰謝料の請求先と受け取りまでにかかる期間
    1. (1)状況別! 交通事故の慰謝料の請求先
    2. (2)交通事故の慰謝料はいつ支払われる?
  7. 7、交通事故の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット
    1. (1)示談交渉を任せることができる
    2. (2)慰謝料を増額できる可能性がある
    3. (3)弁護士費用特約があれば経済的な負担なく弁護士に依頼できる
  8. 8、よくある質問(Q&A)
    1. (1)交通事故に遭ったとき、慰謝料はどうやって請求するの?
    2. (2)ひき逃げにあった場合における慰謝料等の請求先は?

1、3つの算定基準と3種の慰謝料|提示額が異なる理由

交通事故による慰謝料の算定基準は、自賠責保険基準、任意保険基準、裁判所基準(弁護士基準)があります。さらに、3つの項目に分類されていることをご存じでしょうか。

(1)自賠責保険基準・任意保険基準・裁判所基準(弁護士基準)とは

交通事故慰謝料の算定基準には、自賠責保険基準、任意保険基準、裁判所(弁護士)基準の3種類があります。以下では、それぞれの算定基準について説明します。

➀自賠責保険基準

自賠責保険基準とは、自賠責保険から慰謝料が支払われる際に利用される算定基準です。
自賠責保険は、交通事故被害者に対する最低限の補償をする目的で加入が強制されている保険ですので、慰謝料も3つの算定基準の中でもっとも低い金額になります。

➁任意保険基準

任意保険基準とは、任意保険会社が慰謝料を支払う際に利用する算定基準です。任意保険会社が独自に定めている基準であり、外部には公表されていませんが、一般的には、自賠責保険基準と同程度か、若干上乗せした金額であることが多い傾向があります。

後述する裁判所基準(弁護士基準)と比べるとかなり低い金額になるケースがほとんどです。保険会社から提示された慰謝料額で示談をして本当によいのか、念のため弁護士に確認いただいたほうがよいでしょう。

➂裁判所(弁護士)基準

裁判所基準とは、裁判になったときに裁判所が慰謝料の算定に利用する基準です。弁護士が保険会社との示談交渉に用いる基準でもあることから「弁護士基準」とも呼ばれます。

裁判所基準は、過去の裁判例などに基づいて基準化されたものになり、基本的には3つの基準の中でもっとも慰謝料の金額が高額になりやすく、かつ公平な基準となります。

(2)交通事故で請求できる3種類の慰謝料

交通事故で被害者が請求できる慰謝料には、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3種類があります。以下では、各慰謝料の詳しい内容について説明します。

➀入通院(傷害)慰謝料

入通院慰謝料とは、交通事故の怪我で入院や通院をしなければならなくなったことによる精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。傷害を負ったことに対する慰謝料であることから「傷害慰謝料」と呼ばれることもあります。

➁後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、交通事故で後遺障害が残ってしまったことによる精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。
怪我の内容や程度によっては、治療を続けても完治せず、何らかの後遺障害が残ってしまうことがあります。後遺障害が残ると、被害者は元のような生活を送ることができず、仕事や日常生活に支障が生じてしまうことから、入通院慰謝料とは別に後遺障害慰謝料が支払われます。

➂死亡慰謝料

死亡慰謝料とは、交通事故で被害者が死亡したことによる精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。
被害者は、事故によって亡くなっていますので、死亡慰謝料は被害者の遺族が請求することになります。

(3)慰謝料以外に請求できる項目

交通事故に遭われた被害者の方は、慰謝料以外にもさまざまなものを請求することが可能です。

たとえば、

  • 治療費
  • 通院付添費用
  • 入院付添費
  • 入院諸雑費
  • 交通費
  • 休業損害
  • 逸失利益

などが挙げられます。

詳しくは、 交通事故の損害賠償 のページをご確認ください。

2、入通院(傷害)慰謝料の算出方法と相場

それぞれの算定基準によって交通事故の慰謝料はどの程度違いが生じるのでしょうか。任意保険基準の内容は公表されていないため、以下では、自賠責保険基準および裁判所基準に基づく交通事故慰謝料の相場をみていきましょう。

本章ではまず、入通院(傷害)慰謝料の算出方法について解説します。
なお、交通事故の入院・通院期間が長引くほど、加害者に対して請求できる 傷害慰謝料(入通院慰謝料)は高額になります。

(1)自賠責保険基準における計算方法

自賠責保険基準における、交通事故の被害者が、怪我の治療のために入院・通院をしたことで被った精神的苦痛に対する損害賠償金、「入通院(傷害)慰謝料」の計算方法は次のとおりです。

日額慰謝料額×対象日数

  • 自賠責保険基準では、傷害による入通院に対する日額慰謝料額は4300円

  • 対象日数は、実通院日数の2倍と治療期間の日数、のどちらか少ないほうが適用される

たとえば、令和2年4月1日に交通事故に遭い、同日から通院を開始し、同月30日に治療を終了した場合であって、その間10日間通院したという事例を考えてみましょう。

  • 実通院日数の2倍……10日×2=20日
  • 通院期間……30日

上記の場合、実通院日数の2倍の「20日」のほうが少ないため、対象日数は20日となります。

したがって、この場合の慰謝料額は次のようになります。

4300円(日額慰謝料額)×20日(対象日数)=8万6000円

ただし、自賠責保険における傷害による保険金額は、治療費や休業損害等も含めて120万円を上限として定められています。

治療費や休業損害の額が大きい場合、または通院期間が長期および通院日数も多いような場合には、必ずしも上記計算方法によって算出した慰謝料全額を獲得できるとは限りません。

他方で、自賠責保険にも、被害者に有利な点もあります。被害者に過失があったとしても、被害者の過失割合が70%未満であれば減額されず、70%以上であっても過失割合よりも低い割合でしか減額されません。詳しい減額割合については、以下の表をご確認ください。

自賠責保険の過失割合と減額について
被害者の過失割合 減額割合
死亡又は後遺障害 傷害にかかるもの
70%未満 0%(減額なし) 0%(減額なし)
70%以上80%未満 20% 20%
80%以上90%未満 30%
90%以上100%未満 50%

(2)裁判所基準(弁護士基準)の算定表

裁判所基準(弁護士基準)による計算は、いわゆる赤い本に掲載されている「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」の別表Ⅰまたは別表Ⅱを用いて計算します。以下に、表を掲載していますので、ご確認ください。

表は「原則(別表I:骨折などの重傷の場合)」と「別表II:むち打ち症等で他覚所見がない場合」の2種類あります。自身のケースに合う表を確認しましょう。

入院のみの場合は、入院期間に応じて、緑色の行に書かれている数が慰謝料額です。通院期間については、同様に青色の列を見ます。入院と通院がそれぞれ生じた場合は、それぞれの期間に応じた行と列が交差するマスの数字をご確認ください。

裁判所基準(いわゆる赤い本)|原則(別表I:骨折などの重傷の場合)(単位:万円)
裁判所基準(いわゆる赤い本)|別表II:むち打ち症等で他覚所見がない場合(単位:万円)

(3)計算シミュレーション|むちうちで6か月通院したら?

実際に入通院(傷害)慰謝料の金額をシミュレーションしてみましょう。

まずは、「原則」の表を活用した場合を考えてみます。入院期間が2か月の場合は、慰謝料は101万円です。入院期間が3か月、通院期間が2か月の場合は、行と列が交差している177万円となります。

次に具体例で考えます。治療期間が6か月(180日)、実通院日数が60日の事案における、入通院慰謝料は、以下のようになります。

自賠責保険基準
4300円×60日×2=51万6000円

裁判所基準:

例 ①:重傷の怪我を負い、6か月通院した場合

  • 通院6か月間(入院なし)
  • 骨折

→傷害慰謝料は116万円


例 ②:軽傷の怪我を負い、6か月通院した場合

  • 通院6か月間(入院なし)
  • むちうち症

→傷害慰謝料は89万円

裁判所基準では、怪我がむちうち症(頸椎ねん挫)で他覚所見がない場合等か否かに応じて別表Ⅰおよび別表Ⅱの2種類の算定基準があり、いずれも自賠責基準に比べると、高額となる傾向にあります。

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3、後遺障害慰謝料の計算方法と等級一覧

後遺障害の慰謝料額は、実際に認定を受けた後遺障害等級に応じて決まります。そのため、適正な後遺障害等級の認定を受けることが極めて重要です。

後遺障害慰謝料についても、裁判所基準は自賠責保険基準に比べて高額となります。

(1)後遺障害等級ごとの慰謝料推移表|自賠責・裁判所基準比較

後遺障害等級には、介護を要する場合とそうでない場合の2種類あります。

また、自賠責保険基準の慰謝料は原則として下表のとおりに計算されます。他方で任意保険基準は、保険会社によって異なり、さらに任意保険基準と裁判基準は個別事情を考慮して増減します。

なお、自賠責保険基準の括弧内の金額は、被害者に扶養者がいる場合の慰謝料です。
任意保険基準は、金額が公表されているわけではなく、具体的な金額をここで掲示することが難しいですが、おおよそ、自賠責保険基準と裁判基準の中間値よりも、自賠責保険基準よりの金額になる傾向にあります。

各基準ごとに慰謝料を記した下表をご参照ください(弁護士基準は目安)。
なお、自賠責保険基準の括弧内の金額は、被害者に扶養者がいる場合の慰謝料です。

後遺障害等級表(別表第1):介護を要する場合
等級 介護を要する後遺障害 自賠責保険基準
(被扶養者がいるとき)
裁判所基準
(弁護士基準)
第1級 1 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの 1650万円
(1850万円)
2800万円
2 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
第2級 1 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの 1203万円
(1373万円)
2370万円
2 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
後遺障害等級表(別表第2):介護を要しない場合
等級 後遺障害 自賠責保険基準
(被扶養者がいるとき)
裁判所基準
(弁護士基準)
第1級 1 両眼が失明したもの 1150万円
(1350万円)
2800万円
2 咀嚼及び言語の機能を廃したもの
3 両上肢をひじ関節以上で失ったもの
4 両上肢の用を全廃したもの
5 両下肢をひざ関節以上で失ったもの
6 両下肢の用を全廃したもの
第2級 1 一眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの 998万円
(1168万円)
2370万円
2 両眼の視力が0.02以下になったもの
3 両上肢を手関節以上で失ったもの
4 両下肢を足関節以上で失ったもの
第3級 1 一眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの 861万円
(1005万円)
1990万円
2 咀嚼又は言語の機能を廃したもの
3 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
4 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
5 両手の手指の全部を失ったもの
第4級 1 両眼の視力が0.06以下になったもの 737万円 1670万円
2 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
3 両耳の聴力を全く失ったもの
4 一上肢をひじ関節以上で失ったもの
5 一下肢をひざ関節以上で失ったもの
6 両手の手指の全部の用を廃したもの
7 両足をリスフラン関節以上で失ったもの
第5級 1 一眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの 618万円 1400万円
2 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
3 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
4 一上肢を手関節以上で失ったもの
5 一下肢を足関節以上で失ったもの
6 一上肢の用を全廃したもの
7 一下肢の用を全廃したもの
8 両足の足指の全部を失ったもの
第6級 1 両眼の視力が0.1以下になったもの 512万円 1180万円
2 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
3 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
4 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
5 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
6 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
7 一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
8 一手の5の手指又はおや指を含み4の手指を失ったもの
第7級 1 一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの 419万円 1000万円
2 両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
3 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
4 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
5 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
6 一手のおや指を含み3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの
7 一手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの
8 一足をリスフラン関節以上で失ったもの
9 一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
10 一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
11 両足の足指の全部の用を廃したもの
12 外貌に著しい醜状を残すもの
13 両側の睾丸を失ったもの
第8級 1 一眼が失明し、又は一眼の視力が0.02以下になったもの 331万円 830万円
2 脊柱に運動障害を残すもの
3 一手のおや指を含み2の手指を失ったもの又はおや指以外の3の手指を失ったもの
4 一手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの
5 一下肢を5センチメートル以上短縮したもの
6 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
7  一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
8 一上肢に偽関節を残すもの
9 一下肢に偽関節を残すもの
10 一足の足指の全部を失ったもの
第9級 1 両眼の視力が0.6以下になったもの 249万円 690万円
2 一眼の視力が0.06以下になったもの
3 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
4 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
5 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
6 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
7 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
8 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
9 一耳の聴力を全く失ったもの
10 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
11 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
12 一手のおや指又はおや指以外の2の手指を失ったもの
13  一手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの
14 一足の第一の足指を含み2以上の足指を失ったもの
15 一足の足指の全部の用を廃したもの
16 外貌に相当程度の醜状を残すもの
17 生殖器に著しい障害を残すもの
第10級 1 一眼の視力が0.1以下になったもの 190万円 550万円
2 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
3 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
4 14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
5 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
6 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
7 一手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの
8 一下肢を3センチメートル以上短縮したもの
9 一足の第一の足指又は他の4の足指を失ったもの
10 一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
11 一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
第11級 1 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの 136万円 420万円
2 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
4 十歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
5 両耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
6 一耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
7 脊柱に変形を残すもの
8 一手のひとさし指、なか指又はくすり指を失ったもの
9 一足の第一の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
10 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
第12級 1 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの 94万円 290万円
2 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3 七歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
4 一耳の耳殻の大部分を欠損したもの
5 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
6 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
7 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
8 長管骨に変形を残すもの
9 一手のこ指を失ったもの
10 一手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
11 一足の第二の足指を失ったもの、第二の足指を含み2の足指を失ったもの又は第三の足指以下の3の足指を失ったもの
12 一足の第一の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
13 局部に頑固な神経症状を残すもの
14 外貌に醜状を残すもの
第13級 1 一眼の視力が0.6以下になったもの 57万円 180万円
2 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
3 一眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
4 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
5 五歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
6 一手のこ指の用を廃したもの
7 一手のおや指の指骨の一部を失ったもの
8 一下肢を1センチメートル以上短縮したもの
9 一足の第三の足指以下の1又は2の足指を失ったもの
10 一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の3の足指の用を廃したもの
11 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
第14級 1 一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの 32万円 110万円
2 三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
3 一耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
4 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
5 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
6 一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
7 一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
8 一足の第三の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの
9 局部に神経症状を残すもの

(2)各等級の詳細と計算シミュレーション

後遺障害等級は、後遺症の部位・症状・程度などに応じて認定される等級が変わります。

具体的な例でシミュレーションしてみましょう。

高次脳機能障害となり、別表第2の後遺障害等級5級が認定された場合
骨折により、別表第2の後遺障害等級12級13号が認定された場合

各等級と具体的な認定基準などについては、以下コラムをご確認ください。

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4、死亡慰謝料の計算方法と相場

交通事故によって被害者が亡くなった場合、死亡慰謝料が支払われます。死亡慰謝料を請求・受け取るのは、亡くなった被害者の相続人(家族など)です。

また、被害者に帰属している死亡慰謝料だけでなく、被害者の死亡による精神的苦痛を受けている遺族の方自身にも、固有の慰謝料が認められます。

そのため、被害者遺族は、以下の2つを通常、請求することになります。

一家の支柱とは、世帯主や性別にかかわらず、その方の収入によって家庭の生計を維持している方を指します。

たとえば、交通事故によって一家の支柱であった被害者が他界し、被害者が配偶者および子ども1人を扶養していたという場合において、配偶者および子どもが請求できうる死亡慰謝料の金額について解説します。

(1)自賠責保険から支払われる死亡慰謝料の相場

自賠責基準の場合、死亡した被害者本人の慰謝料は上記のとおり400万円です。これに加えて、遺族の人数によって決められた遺族固有の慰謝料を合算し、慰謝料の金額を計算します。

被害者本人に対する慰謝料…400万円

遺族固有の慰謝料
遺族が1名のとき…550万円
遺族が2名のとき…650万円
遺族が3名以上のとき…750万円

被害者に被扶養者がいれば200万円加算

したがって、配偶者1人、子ども1人を扶養していたケースにおいて自賠責保険から支払われうる金額は以下のとおりです。

自賠責保険基準:合計1250万円

自賠責保険からはこの死亡慰謝料に加え、葬儀費と逸失利益が支払われますが、死亡による損害(葬儀費、逸失利益、慰謝料の合計)の支払限度額は、被害者1名につき最高3,000万円と定められています。

(2)裁判所基準で請求した場合の死亡慰謝料の相場

裁判所基準では、被害者の家庭内での地位・属性などに応じて、金額の目安が示されています。

配偶者1人、子ども1人がいる一家の支柱である被害者が他界した場合は以下の金額となります。

裁判所基準:2800万円

死亡慰謝料についても、自賠責保険基準よりも、裁判所基準のほうが高くなる傾向が確認できます。また、自賠責保険同様、死亡慰謝料のほかに葬儀費や逸失利益の請求ができ、かつ支払限度額はありません。

詳しくは以下のコラムをご確認ください。

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5、慰謝料が増額・減額・請求権の消滅(時効)するケースの判断基準

交通事故慰謝料は、個別事情に応じて相場よりも増額または減額されることがあります。
本稿では、交通事故慰謝料の増額事由と減額事由について説明します。

(1)増額事由 ➀|加害者の運転行為が悪質

以下のような事情がある場合には、加害者の運転行為が悪質であると評価されて慰謝料が増額される可能性があります。

(2)増額事由 ➁|加害者の事故後の態度や行動が悪質

以下のような事情がある場合には、加害者の事故後の態度や行動が悪質であると評価されて慰謝料が増額される可能性があります。

(3)増額事由 ➂|被害者の受けた傷害・被害の程度が大きい

被害者が受けた傷害の程度が大きい場合には、それに伴い精神的苦痛も大きくなりますので、慰謝料の増額事由になります。
具体的には、以下のような事情が挙げられます。

(4)減額事由 ➀|過失相殺

過失相殺とは、事故の発生や損害の拡大について被害者にも落ち度(過失)がある場合に、その過失割合を考慮して、損害額を減額する考え方です。被害者にも過失がある場合に、すべての損害を加害者に補填させるのは適切ではないという考えから、民法722条2項により定められています。

具体的な過失割合は、基本的に事故態様によって類型化されていますので、実際の事故状況に応じて適切な過失割合を主張していくことが大切です。

(5)減額事由 ➁|素因減額

素因減額は、被害者の心因的要因や身体的要因が損害の発生・拡大に寄与したといえる場合にまで、すべての損害を加害者に補填させるのは不公平であることから、民法722条2項の規定を類推適用し、一定の減額を行うという考え方です。

(6)減額事由 ➂|無償同乗

無償同乗とは、運転者の好意により無償で自動車に乗せてもらうことをいいます。
自動車に同乗中に事故が発生した場合、同乗者は、運転者に対して損害賠償請求をすることができますが、無償同乗であった場合には、損害額が減額される場合があります。

ただし、無償同乗だったからといって常に損害の減額がなされるわけではありません。代表的なケースとしては、以下のようなケースが挙げられます。

(7)減額事由 ➃|損益相殺

損益相殺とは、被害者が交通事故を原因として利益を得た場合に、その利益分を損害額から控除する制度です。損益相殺は、賠償金の二重取りを防ぐ目的で認められています。

たとえば、交通事故により以下のような給付を受けた場合には、損益相殺により損害額が減額されます。

(8)時効を迎えると請求できない

交通事故による慰謝料請求には、時効があります。具体的には、損害および加害者を知った日の翌日から時効がスタートし、5年で時効が成立します(令和2年(2020年)4月民法改正)。時効が成立してしまうと、慰謝料請求自体ができなくなってしまうため注意が必要です。

それぞれの慰謝料における時効と起算点については以下のとおりです。

請求の内容 時効の期間 時効のカウント開始日(起算点)
怪我への賠償(人身損害) 5年 事故日の翌日、または症状固定日の翌日
後遺障害への賠償 5年 症状固定日の翌日
死亡事故への賠償 5年 死亡日の翌日

一般的な交通事故では、交通事故直後に加害者を知ることになるでしょう。また、事案によりますが、慰謝料請求等の人身損害を請求する場合、基本的には、「完治」または「症状固定日」から時効がスタートすることになります。

「まだ治療中だから大丈夫」と思っていても、交渉が長引いて数年が経過している場合は、時効の中断手続きが必要になることもあります。不安な場合は早めに弁護士へ相談してください。

6、交通事故慰謝料の請求先と受け取りまでにかかる期間

交通事故の慰謝料はどこに請求して、いつ支払われるのでしょうか。

(1)状況別! 交通事故の慰謝料の請求先

➀加害者が任意保険に加入している場合の請求先

加害者が任意保険に加入しているなら、加害者側の任意保険会社から慰謝料を含めた賠償金が支払われますので、基本的には加害者側の任意保険会社に請求していくことになります。
ただし、自賠責保険に対して被害者請求を行うことで、任意保険会社との示談成立前に、自賠責保険から自賠責保険基準の慰謝料の支払いを受けることもできます。

➁加害者が任意保険に加入していない場合の請求先

加害者が任意保険に加入していなかった場合には、加害者の自賠責保険から一定の補償を受けることができます。

加害者の自賠責保険に請求する際には、以下のような書類を準備して、自賠責保険に送る必要があります。

  • 自賠責保険金支払請求書
  • 交通事故証明書
  • 事故発生状況報告書
  • 医師の診断書
  • 診療報酬明細書
  • 通院交通費明細書
  • 休業損害証明書
  • 後遺障害診断書
  • レントゲン写真

など

上記の書類の提出を受けた自賠責保険では、損害保険料算出機構の調査事務所に書類を送付し、そこで調査が行われます。調査の結果、支払額が決定された場合には、自賠責保険から保険金が支払われます。

ただし、自賠責保険から支払われる保険金は、あくまでも最低限の補償に過ぎません。不足する部分については、加害者本人に慰謝料請求していく必要があります。また、加害者との間で損害賠償額の合意が得られないとき、または加害者がそもそも話し合いに応じてくれないときは、裁判所に訴訟を提起しなければなりません。

加害者に資力がない場合や不誠実な対応しかしないような場合には、ご自身の保険利用も検討してみましょう。ご自身が以下のような任意保険に加入している場合や、補償を受けられる可能性があります。

  • 搭乗者傷害保険
  • 無保険車傷害保険
  • 車両保険
  • 人身傷害保険

➂示談が成立しない場合

任意保険会社や加害者との示談交渉が決裂したときは、裁判外紛争処理機関や民事訴訟に移行し、その手続きの中で、慰謝料を請求していきます。

(2)交通事故の慰謝料はいつ支払われる?

交通事故の慰謝料は、基本的には、示談交渉を終えて示談が成立したあとに支払われます。加害者が任意保険に加入しているケースであれば、示談書(免責証書)に署名押印をして、保険会社に返送すれば、1~2週間程度で指定口座に慰謝料を含む示談金が支払われます。

もっとも、示談交渉が決裂すると、最終的に訴訟等による解決が必要になりますので、裁判所の判決確定または和解成立等のタイミングまで、任意保険会社からは基本的に慰謝料は支払われません。

7、交通事故の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット

(1)示談交渉を任せることができる

加害者が任意保険に加入している場合、示談交渉は保険会社の担当者との間で行うことになります。

保険会社の担当者は、業務として多くの交通事故事案を取り扱っていますので、交通事故に関する知識や経験が被害者よりも圧倒的に多く、被害者個人では対等な交渉は難しいといえます。また、被害者個人では、保険会社から提示された賠償額が適正な金額であるかどうか判断できませんので、不利な内容で示談に応じてしまうリスクもあります。

弁護士に依頼をすれば、保険会社との示談交渉すべて任せることができますので、対等な立場で交渉を進めてもらうことが可能です。交渉が決裂した場合でも、引き続き訴訟手続きの対応をしてもらうこともできますので、最後まで安心して任せることができます。

(2)慰謝料を増額できる可能性がある

慰謝料の算定基準には、自賠責保険基準・任意保険基準・裁判所基準の3種類があり、被害者にとってもっとも有利な算定基準は、裁判所基準です。

しかし、保険会社との示談交渉で裁判所基準による慰謝料を請求するには、弁護士への依頼が必要になります。被害者個人では、裁判所基準による慰謝料の支払いを求めても、基本的に応じてもらえません。慰謝料を増額したい場合は、弁護士に示談交渉を依頼するべきでしょう。

実際にどれぐらい増額される可能性があるのかについて、簡易的に確認いただけるツールをご用意しました。お気軽にお試しください。

(3)弁護士費用特約があれば経済的な負担なく弁護士に依頼できる

弁護士に交通事故の事案を依頼したくても、経済的な不安があり相談や依頼をためらう方は少なくありません。

そのような方は、まずはご自身が加入する自動車保険に「弁護士費用特約(弁護士特約)」が付帯しているかどうかを確認してみてください。弁護士費用特約があれば、弁護士に相談・依頼する際の相談料、着手金、報酬金などの費用を保険会社に負担してもらうことができますので、基本的には経済的な負担なく弁護士に依頼することができます。

弁護士費用特約を使用したとしても、自動車保険の保険料が増額するという心配はありませんので、弁護士費用特約の付帯があるのであれば積極的に利用していくようにしましょう。

8、よくある質問(Q&A)

交通事故の慰謝料請求についてよくある質問とその回答をまとめました。

(1)交通事故に遭ったとき、慰謝料はどうやって請求するの?

Q.不運にも交通事故に遭ってしまいました。 どうやって賠償金を請求したらよいでしょうか?慰謝料請求の流れについて教えてください。

A.被害者ご自身で回収するやり方と、弁護士が介入するやり方があります。

ご自身で対応するよりも、弁護士へ依頼したほうが慰謝料の増額が見込める可能性がありますので、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。

詳しくは以下をご確認ください。

交通事故に遭ったとき、慰謝料はどうやって請求するの?

(2)ひき逃げにあった場合における慰謝料等の請求先は?

Q.ひき逃げに遭いました。慰謝料等はどこに請求できるのでしょうか?

A.加害者の特定ができなかった場合、政府保障事業制度に損害賠償を請求することが可能です。
ただし、相手方が自転車等で請求ができないケースもあります。

そのほかの慰謝料や損害賠償請求についてのよくある質問とその回答は以下をご確認ください。

慰謝料・損害賠償|よくある質問

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